2006年9月29日(金) 曇り時々晴れ〜
2006年9月30日(土) 曇りのち晴れ
小屋1泊 単独
駒ノ小屋泊
●ワンポイント
駒の小屋泊で下山はキリンテへとつなぐプラン、湿原と紅葉がすばらしかったです。 登山口に車をつければ日帰りOKかと思いますが、やはり1泊するとゆっくり楽しめます。 駒の小屋は素泊まりのみで水も担いでいく必要があります。水場の水は豊富でした。 小屋のご主人の人柄もGoodでした。 |
●写真
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●交通
往路 | JR | 蒲田06:58 − 新橋07:15 |
東京メトロ | 新橋07:19 − 浅草07:32 | |
東武鉄道 | 浅草08:00 − 鬼怒川温泉09:57 | |
野岩鉄道 | 鬼怒川温泉10:01 − 会津高原尾瀬口10:45 | |
会津乗合バス | 会津高原尾瀬口駅10:50 − 駒ケ岳登山口11:58 |
復路 | 会津乗合バス | キリンテ15:02 − 桧枝岐中央15:12 |
●山行
9/29(歩行時間2:49) |
駒ケ岳登山口12:10-滝沢登山口12:36-休憩4分-滝沢登山口発12:40-水場13:54-休憩12分-水場発14:06-途中休憩10分-駒ノ小屋15:25 |
9/30(歩行時間4:23) |
駒ノ小屋8:05-会津駒ケ岳山頂8:12-休憩13分-中門岳9:05-休憩50分-中門岳発9:55-会津駒ケ岳10:27-休憩4分-駒ノ小屋10:45-休憩25分-駒ノ小屋発11:10-大津岐峠12:20-休憩20分-大津岐峠発12:40-キリンテ14:20 |
●記録文
●1日目 9月に入って仕事が忙しく、休日出勤などもあったのだけど、最後の週末に代休をとることが出来た。よし、秋の紅葉を見にどこかでかけよう。せっかく平日休みなのだから、どこかいいところ...会津駒ヶ岳はそういえばテント禁止で小屋泊のみだったっけ? 平日ならきっと小屋も空いているのでは? 情報では尾瀬の紅葉がよいとのことだから、会津駒もきっと見ごろのハズ。 |
ということで1週間前に、会津駒に出かけることに決定。その話をBにしているうちに、下山後Bと桧枝岐温泉で合流、一泊ののち、尾瀬ハイクに出かけることに決まった。3日間の天気予報が晴れであることを確かめたのち、小屋、宿、電車、バスなどの予約を4、5日前から順次行った。しかし、本当に天気予報はあてにならないものだ。出発の朝には、予報はすべて曇りに変わっていた... |
事前に予約しておいた朝8時浅草発の鬼怒川温泉行きの特急で出発。北千住でほぼ満席となるが、大部分は日光に行くようで、下今市で人ががぐんと減った。廃墟のような(というか一部は本当に廃墟になっているが)ホテルの林立する鬼怒川温泉で野岩鉄道の特急に乗り換え。この特急は特急券や指定席券は要らない。2両編成の電車で山間を会津高原尾瀬口まで進んだ。途中、土合のような地下駅があった。 |
会津高原尾瀬口駅で下車。電車から降りたのは数人だった。乗り換え時間は5分。窓口で切符を買ってバスに乗ると7-8割の席が埋まっていた。会津田島から乗車する人が多いのだろうか。携帯でBにメールしようとすると、圏外になっていてダメだった。そこからバスで一時間ほど、山村をいくつか抜けながら進んで、桧枝岐に入ったところの駒ヶ岳登山口で下車した。天候はなんとかいいほうに向かっているようで、空がだんだん晴れてきた。バスから一緒に降りたのは一人だけ。他の登山者はすべて尾瀬に向かうのか。 |
登山口には立派なトイレがあるので、使わせてもらったのち出発。林道からいったん山道に入ったところでクマ鈴をつけておく。近くに竜の門の滝という案内があったが、あとからBに聞いたところによると、橋が崩落したとのことでこのときは通行止めだったようだ。ひと登りするとと再び林道に出て、車道にはたくさん車が止まっていた。しばらく行った先に木製の階段があって、そこから本格的な登山道となった(滝沢登山口)。しばらくすると道はぶな林になって、木漏れ日が心地よい。この時間登っている人はいないが、下山してくる人と何回かすれ違った。 |
1時間ほど登るとちょっとした広場があって、ベンチが二つあった。ここが水場への入り口のようだ。2人の男性が休憩している。そこから2−3分降ると水場があった。水量は豊富。秋でも枯れることはないのだろう。飲んだ分の水を補給して、振り出しの5.5リットルに戻った。駒の小屋に水はない。 |
さらにじわじわと森の中を登っていく。徐々に木々の背丈が低くなって、足元にはリンドウの花が現れ始めた。濃い紫色だ。同時に木々の色も少しずつ色づき始めている。やがて尾根のような箇所に出て木道が現れると視界が開けた。正面にまあるい山があって、会津駒ケ岳と標識がある。山頂付近が点々と紅葉しているのが遠目に見えた。そこから秋景色の湿原を登っていくと、駒の小屋に到着した。目の前に駒の大池があり、そこに会津駒が映えてすばらしいロケーションだ。が空は再び曇ってしまって、風が冷たい。 |
この小屋は素泊まりオンリーの小屋。ジャージ姿のちょっと野性的なご主人が2階の広間に案内してくれた(こっちもジャージなのでなんとなく親近感)。本日の宿泊は20数名。丁度定員ぴったりという感じの混雑具合だった。ザックは階段の踊り場に置くようにいわれた。1Fには食堂兼談話室と管理人室がある。トイレは外の別棟で、こちらもきれいに管理されていた。室内の気温16度。 |
寝床を確保し談話室で酒をやりながら米を炊く準備をする。外に出て一服するとガスが出ていて、風が冷たい。気温10度。明日は晴れるだろうか? 酒も回りいい気分になって、米も炊けたので鮭缶で夕飯にする。缶詰の残り汁をペットボトルに捨てていると隣のおばさん2人組に妙に感心された。これがきっかけで、即席のマッシュポテトまでご馳走になった。ごちそうさまでした。その後2Fにあがって就寝。暖かい布団でぐっすり眠ることができた。 |
●2日目 翌日、まだ暗いうちから起床。外に出てみるとあたりは完全に雲の中だった。今日は桧枝岐に泊まる訳だし急ぐ必要もなし。晴れるまで待つことに決める。談話室は込んでいるので、外のテーブルで朝食にする。昨日の余り米でお茶漬けだ。フリースを着てコンロを使っているのだがけっこう寒い。小屋に戻って出発の準備だけ済ませる。みなこのガスの中出発するのか、どんどん人気がなくなり2Fはだれもいなくなってしまった。ごろごろしながら天気が変わるのを待つ。しばらくすると小屋のご主人が掃除に上がってきたので、雑談する。話し好きな人だ。木道の整備が大変なことや、このあたりの遭難の話、ツアー登山の話(最近は減ったらしい)、雪の時期の情報など聞くことができた。次の土日にはもう小屋じまいらしい。 |
8時になった。薄日は差しているのだが、完全に雲が取れる気配がない。ご主人もあとは運だと言う。歩いているうちに晴れることを願って出発することにした。出発前に素泊まりの代金3000円をご主人に手渡した。この人、なぜかなかなかお金を受け取ってくれないようで、みな代金を支払うのに苦労しているようだった。 |
サブザックひとつで出発。小屋客は皆出発したようで辺りはしんとしている。駒ノ大池を回り込み木道の上をゆっくり進む。薄日が差して草紅葉が明るい。もう少しで晴れそうなのだけど。ゆるゆると登っていくと背の低い針葉樹林が現れ、そこから右手に急な木段がある。これを5分ほど登っていった先が、会津駒ケ岳山頂だった。ガスで展望はない。皆すでにさらに先まで足を延ばしているのかだれもいない。あまりじっと休むような状況でもないので、中門岳への道へと歩を進める。 |
いったん降り草紅葉のなだらかな丘を歩いていく。稜線は今が紅葉の盛りで、色づいた広葉樹が湿原のそこここにあった。あたりを流れるガスや、点々と散らばる池塘が幻想的だった。写真を撮りながら歩く。花はリンドウやワタスゲ、アキノキリンソウ、季節外れのニッコウキスゲなどがあった。草紅葉の間にはそこここに池塘が散らばっていて幻想的な風景だ。 |
まさに天上の楽園、といったような景色を堪能しながら一時間弱で中門岳に着いた。中門大池のほとりで数人が休憩している。さらに先まで歩を進めて、丘のようになったところが木道の終点だった。ここから先が会津朝日岳への縦走路だろうか。そうこうしていると、ラッキーなことに、少しずつ明るくなっていた空がついに機嫌を直したようで、視界が開け始めた。あっという間に会津駒までのおおらかな稜線がハッキリ見えるようになった。この辺りの湿原には大小の池塘がたくさんあって、それに紅葉が映り、太陽の光がきらきらと美しかった。会津駒の眺めもすばらしいのでここで大休止することにした。 |
小1時間ほどゆっくりして出発。あまりに景色がよく、日差しも暖かいので後ろ髪を引かれる。往路を小屋まで引き返すのだが、この時間になると早朝麓を出発した人がどんどん登ってきていて、木道の上を行き交う人もかなりの数になっていた。すばらしい景色の中もう一度会津駒に登り(別に巻き道あり)駒の小屋へと降っていった。 |
小屋で荷物を回収していると、ご主人が奥から出てきてくれた。「晴れたからゆっくりしてるんだろうと思った」と言われた。それから20分ほど歓談。富士見林道を経由してキリンテへ下山するつもりだと言うと「それはおすすめ」だといわれた。「登山口からピストンするだけではもったいない」のだそうだ。しかも富士見林道まで足を伸ばす人はあまりいないらしい。静かな山歩きが楽しめそうだ。ご主人の話は尽きないのだが、バスの時間もあるし、途中ゆっくり歩きたいので、別れを告げて出発した。小屋の前のテーブルは日帰りの登山者でごった返していた。 |
トイレの脇の道から大津岐峠方面へ踏み出す。峠の方までずっと眺めてみるが、人影はない。しばらくは、紅葉の稜線歩きを独り占めできそうだ。道は多少岩がちな尾根で、細かいアップダウンがあった。かと思えば、急に湿原が現れたりする。紅葉もよく、変化に富んだ山歩きが楽しめた。1時間ほど稜線を歩いた後、峠手前の雰囲気のいい湿原で大休止。最後の展望を堪能した。 |
下山前に大津岐峠を通過すると5mはあろうかという標柱が立っていた。おそらく積雪時用にこのような高さになっているのだろう。このあたりの雪のすごさを想像するに余りあった。そこからキリンテまでは広葉樹の中の降り。稜線から遠ざかるとブナ林に入り、徐々に紅葉がなくなっていく。小休止を繰り返しながら1時間半ほどで国道にたどり着いた(キリンテ登山口)。結局小屋から誰にも会うことはなかった。人が少ない割りに整備された登山道だった。 |
左手にしばらく進むとキリンテのバス停だった。とりあえずBに下山の連絡をする。既に桧枝岐についているようで、あたりを散策中らしい。キリンテには民宿兼売店とキャンプ場がある。バスの時間まであと40分あるので、ここでビールをご馳走になった。店のおばさんに「こちらに降りてくる人はめずらしい」と言われる。キリンテは麒麟手とも書くらしい。アイヌと関係があるなどと言う見方もあるのだとか。ツマミにおいしい豆腐をご馳走になり、冬の豪雪の写真を見せてもらいながら、楽しいひと時を過ごした。 |
ほぼ時間通りにやってきたバスの乗客は登山者数名。しばらく乗って桧枝岐中央で降りると、ちょうどBと合流することができた。この日の宿は「旅館ひのえまた」。秘湯の宿で舞茸酒を呑みながら温泉とそばを堪能し、明日の尾瀬散策に備えた。宿では翌日の弁当も用意してくれた。 |