2005年6月19日(日) 曇り
日帰り 単独行
●ワンポイント
雨山山稜はブナ林があります。樹林帯で展望は望めませんが、静かな森の山行が楽しめるでしょう。寄沢沿いの道もすばらしいです。 |
●写真
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●交通
往路 | JR | 蒲田5:16 − 横浜5:32 |
相模鉄道 | 横浜5:37 − 海老名6:14 | |
小田急 | 海老名6:18 − 新松田6:50 | |
富士急湘南バス | 新松田駅6:53 − 寄7:14 |
復路 | 富士急湘南バス | 寄16:20 − 新松田駅16:42 |
小田急 | 新松田16:45 − 海老名17:18 | |
相模鉄道 | 海老名17:27 − 横浜17:58 | |
JR | 横浜18:04 − 蒲田18:22 |
●山行:(歩行時間6:16)
寄7:30-寄大橋7:58-途中休憩15分-寄コシバ沢9:20-雨山峠9:58-休憩12分-雨山峠発10:10-途中休憩5分-雨山10:49-檜岳11:29-伊勢沢の頭11:514-休憩40分-秦野峠13:09-林道秦野峠13:28-休憩55分-林道秦野峠発14:23-寄大橋15:25-寄15:53 |
●記録文
今年の梅雨は今のところ雨が少ない。この日曜も雨とまでいかず曇りの予報だ。こんな日は展望を当てにせず、濡れた森の姿でも見に行くのがいい。そこで、去年南アルプスを一緒に歩いたTさんが、丹沢の雨山山稜をしきりにほめていたのを思い出し、そのブナ林を歩きに行くことにした。お気に入りの寄沢から雨山峠へ登り、そこから雨山山稜を経て秦野峠へ降ることにした。 |
新松田から寄行きのバスに乗る。乗客は数名。登山者は田代向で一人、終点の寄で2人下車。トイレをすませ、GPSをセットして中津川沿いの車道を緩く登っていく。上空は明るい雲で一面覆われている。しかしこの分なら雨が降ることもなさそうだ。 |
寄大橋へは30分ほどで到着。ここまで車で入ってくる登山者もいる。ゲートをくぐり林道を15分ほど進むと登山道となる。山腹を高巻いたのち、寄沢に出る。流れを何度か渡り返しながら上流へと進む。徒渉地点には以前はなかった丸太が置かれていて格段にわたりやすくなっていた。この辺りの川原は広いゴーロ状でいつ訪れても明るく気持ちがいい。 |
いったん右手に道が離れて樹林帯の中、どんどん高度を上げていく。細くなった流れにふたたび出合い、それを渡ると寄沢とはお別れだ。小さな鎖場を攀じて、今度は暗い植林帯となる。 |
植林帯を黙々と進んでいくと寄コシバ沢に出た。人が一人休んでいる。ここは鍋割峠への分岐だ。今日は左手の雨山峠への道に入っていく。湿った森の中の斜面につけられた道は、ところどころ土砂が崩れてザレた箇所がある。傍らにある掲示には雨山峠への道は降雨時の増水に注意、との警告がある。 |
雨山峠直下の峡谷は両側が切り立った斜面で、狭い回廊になっている。頭上にのしかかるように山が迫り、空は樹木に覆われて見えない。歩いているとじつに圧迫感がある。確かにこんなところで出水に襲われたらひとたまりもないだろう。しかし落ち着いて歩みを止めてみると、河床は苔むし、空を仰げば光に透けた緑が美しい。足元には小さな流れがあって、景色に瑞々しさを与えていた。 |
枝分かれした沢を道標に従い登っていくと雨山峠についた。ここは十字路で、右手に行けば鍋割山、そのまま進めば雨山橋、そして左に登っていくと雨山山稜へとつながっていく。傍らにベンチがあるので、休憩を取った。パンをかじって補給する。じきに寄コシバ沢で会った単独行の人がやってきた。彼も雨山山稜へと踏み込んでいった。10分ほど休憩ののち自分もそれに続いた。 |
雨山へはけっこうな急坂だった。息を切らしながら登っていくと、ぐっと広葉樹が増えたことに気がついた。ブナの木が多い。光の加減か、辺りの緑もずっと美しくなった。この時期地面や樹木についた苔も美しい。花の時期ではないのだけど、ガスで水を含んだ森がじつに美しく輝いていた。林床にはギンリョウソウも見かけることが出来た。 |
雨山の山頂は樹林帯だけど、南東側が若干開けている。本日は完全にガスっていて展望はない。しかしそちらから差し込む明るい光が、草木を生き生きと照らし出していた。この静かな緑色の景色は何物にも替えがたい。緑のじゅうたんの中に細く控えめに続く登山道が実に好ましい。こんな美しい森の中を誰にも合わずに静かに歩いていられることの幸せ... |
潤いに満ちた森の中を、檜岳へと進む。しばらくは平坦な尾根歩きが続いた。そして一旦降って登り返すと檜岳山頂だ。ここも樹林に囲まれていて展望はない。しかし森の潤いがそれを補って余りある癒しをもたらしてくれる。単独行の人が、苔むしたベンチで、静かに昼食をとっていた。 |
檜岳から先は右手に鹿柵が続いている。それに沿って歩いていくと草原状の開けた箇所に出た。結果的にはここで休憩すればよかったのだけど、この日はもう少し進んでしまった。再び樹林帯となり、一旦降って少し登ると伊勢沢の頭。ここも森の中で展望はなし。腰を落ち着けられるような場所もなく、そのまま通過し、大休止ポイントを探しながら秦野峠へと降って行った。 |
この辺りまで来ると、あたりは植林と雑多な樹木、そしてススキや笹などが増え始め、雨山付近の幻想的な雰囲気はなくなっていた。途中アラゲキクラゲを発見。これは収穫し、家で中華スープの具となった。やはり取れたてのキクラゲの触感は何倍もちがう。 |
なんとか畳数畳くらいの開けた箇所を発見。そこに腰をおろして大休止にした。やっとビールが飲める。しかし虫が多く今ひとつ落ち着かない。出発し、秦野峠へと急坂を降っていった。 |
秦野峠から林道秦野峠までは、自分の10年前の地図では15分となっているのだけど、実際は20分以上かかってしまった。まず植林の中を急激に登り返し、そのあとは両脇を鹿柵のバラ線に囲まれた登山道の降りになる。幅が狭い箇所もあり、サビた刺が刺さりそうであまり歩きやすい道とはいえないだろう。ヤブがちでもある。途中、ブッツェ平への分岐を確認することが出来た。この道もいつか辿ってみたいものだ。 |
急坂を下って林道秦野峠到着。ここは舗装路で、去年登ったジダンゴ山からの道を合わせる場所でもある。林道とはいえ、ゲートがあるので普通の車はここには入ってこない。登山者も少ない、静かな峠だ。やっとゆったり腰をおろして休めたので、つい酒を飲みながら大休止してしまった。 |
あとは寄大橋へ延々舗装路の降り。途中小雨がぱらついたので折りたたみ傘を出して歩いた。下からパトカーが上ってきたのでちょっと驚いた。1時間ほど降ったのち、ゲートをくぐって真っ赤な寄大橋到着。そこから往路を寄まで戻った。バス停そばの酒屋でチューハイを購入。乗客2名で新松田へとバスは進んで行った。 |