2006年8月19日(土) 晴れ
日帰り 単独
●ワンポイント
富士山、やはり国民的な山です。混雑を受け入れながらゆっくり登るのがよいと思います(夏山の場合)。 |
●写真
写真を見る・その1(JPEG 20枚 1.1MB) |
写真を見る・その2(JPEG 19枚 0.98MB) |
●交通
往路 | JR | 蒲田5:27 − 川崎5:30 |
川崎5:39 − 富士7:51 | ||
富士8:01 − 富士宮8:19 | ||
富士急バス | 富士宮駅8:30 − 五合目9:42 |
復路 | 富士急バス | 五合目18:10 − 新富士駅19:53 |
JR | 新富士20:10 − 新横浜21:03 | |
新横浜21:10 − 東神奈川21:19 | ||
東神奈川21:23 − 横浜21:26 | ||
横浜21:26 − 蒲田21:45 |
●山行:(歩行時間6:36)
富士宮口五合目9:50-新六合10:06-六合10:23-新七合10:49-七合11:25-休憩7分-七合発11:32-八合12:00-九合12:36-九合五勺13:02- 浅間大社13:31-休憩5分-浅間大社発13:36-剣ガ峰13:51-休憩9分-剣ガ峰発14:00-浅間大社14:11-休憩19分-浅間大社発14:30-八合15:00-休憩5分- 八合発15:05-七合五勺15:28-七合15:37-宝永山16:10-休憩11分- 宝永山発16:21-新六合17:10-富士宮口五合目17:22 |
富士山。日本一高い山。 |
いままではその混雑からなんとなく登ることを敬遠していた。夏を避けて、9月に登ってみようと、考えていたりもした。しかし、身の回りを取り巻く種々の状況から、なんとなく登頂気分が盛り上がり、今回日帰りで登山を決行することにした。 |
日帰りにしたのは、南アルプスで知り合ったTさんが毎年日帰りで行っている、ということを聞いていたため。山小屋に泊まるのはちょっと気がひける私。先週3000m峰に登ったばかりの勢いで何とかなるのではないかと、計画を立てた。今回は毎年山頂郵便局から暑中見舞いをくれるTさんに、お返しではがきを送ることもひとつの目的だ。 |
入山は、高度差が最短の富士宮口から(標高2400m)。帰りも同じコースではつまらないので、時間が許せば御殿場口への下山路を途中まで降り、宝永山を経由して、再び富士宮口へ戻ることを考えた。万一時間が足りなかった場合は、富士宮口のピストンとする。入下山を同じ場所にすれば、富士急バスの往復券が使えるので交通費の節約になる(3000円也)。 |
朝5時に家を出た。川崎でほとんど満席の静岡行き東海道に乗り、富士駅でのどかな身延線に乗り換えた。20分ほど電車に揺られて、富士宮駅で下車。駅前ロータリーの富士急窓口で往復チケットを購入し、富士宮口五合目行き8時半発のバスに乗った。バスは席がほぼ埋まるくらいの状況。窓から外を見ると晴れてはいるが、平地のそこここから入道雲が生まれかけていた。天候が悪化するようなら、無理せず引き返すつもりでいた。 |
つづら折れの自動車道。急カーブにちょっと気持ち悪くなりながら、富士宮口五合目到着。売店のトイレを借りたのち、登山口に向かう。下山してくる人、入山していく人、どちらも多い。今日は未知の高度まであがるので、あせらず行こうと決めていた。人の後についてわざとゆっくり歩くくらいのつもりだ。急げば呼吸が苦しくなる。 |
まずは広い道を新六合まで歩いた。始めガスっていたのだが、それはすぐにはれた。いきなり2400mからなのでちょっと動悸がする。意識的にゆっくり歩く。道は砂礫の登り。基本的にはこれが山頂まで続く。 |
あっという間に新六合について、小屋の前を通り山頂に向けて登山道に入っていった。上を見上げると、頂上付近の小屋が見える。私の持っている古いガイドブックには、レーダードームが見えると書いてあるのだけど、今は移設されてもうない。 |
ザレた登山道を人の後についてゆっくり歩いていく。とにかく今日は、よほどでない限りは人を抜かすことはしないつもりだ。そのかわり、休憩は最小限。それでコースタイムどおりに山頂に着くという気がする。少しずつ高度を稼ぎ、新七合、七合と過ぎていく。「新」とそうじゃないのがどう違うのか紛らわしいヨ。七合で5分ほど休んで行動食をとった。ガタイのいい白人の若者が20人くらい休憩している。大音量で音楽を鳴らしていて、ちょいと日本の文化とは違うんでない...? |
休憩した後八合を目指した。すでに上は見えているのだけどゆっくり進んでいくしかない。一歩一歩高度を上げていった。これで北岳の高度を越え、徐々に息が苦しくなってきた。このあたりで100人以上はいると思われる行列の後ろについた。これはツアーなどではなく、自然にできた渋滞のようだ。直前の人が本当につかれきっていて危ない。その人は、やがてよろけるように腰を下ろして、行列から脱落していった。 |
八合を通過。小屋前には大勢の人が休憩している。2/3は外人(ほぼ白人)だ。富士山ってこんなに外人が多いの? そして、まだまだ砂礫の登りが続く。でも頂上は近いように見える。九合、九合五勺と小屋の前を過ぎていく。ゆっくり登っているので、息苦しさはそれほどでもないのだけど、酸素が薄いせいかちょっとクラクラする気がした。 |
九合五勺を過ぎると、富士宮口のゴールはもうすぐそこ。鳥居に向けて岩がちな道を攀じていった。かなり息苦しくなりながら、鳥居前で記念撮影。しらないオジサンにいい写真をとってもらうことができた(あ、おれももうオジサン)。 |
鳥居をくぐると、目の前は浅間大社奥宮だった。早速、いろいろお参りする。神社の左手には、郵便局があった。Tさんへのはがきを忘れず投函しておく。現在13時半。まだ時間がありそうなので、剣ガ峰へ足を伸ばすことにした。というか日本最高所なので、やはり行っておかねば... |
神社の横を抜けていくと、すぐ正面に剣ガ峰が見えた。測候所の建物が残っている。右手には富士山の火口が大きく口を開けていた。ここが昔ドカンと噴火したのかー、としばし見入る。剣ガ峰へはざれた急坂。下ってくる人が足を滑らせながら難渋している。息も苦しいので、歩幅を狭くしゆっくり登った。 |
富士山測候所の看板の前の階段を登り、ついに3776mの山頂に到着。ここが日本最高所なのだ。建物の前の狭い場所に人がごった返している。なぜか半分は外人だ。人に頼んでなんとか記念写真を撮ってもらう。奥に進むと、測候所の設備だったのだろうか、テラスに上がることができて雲海が見えた。遠望がきけば、相当遠くの山まで見えるに違いない。 |
剣ガ峰から浅間大社へと戻る。ざれた斜面は、しゃがみながらすり足で進まなくてはいけないほど滑りやすかった。浅間大社に着くと、若い神官が2人立ち話をしていたので、宝永山の登山道の情報を仕入れておく。同時に、この大量の外国人はアメリカ軍だということを知った。御殿場にキャンプしていて登りに来るらしい。数百人はいるようだ。 |
帰りのバスは、とりあえず18時過ぎの便を目指すつもりでいた。火口の縁でパンを食べながら、残り時間を計算し御殿場口下山道から宝永山経由、富士宮口のルートをとることに決めた。 |
御殿場口の登山道は、富士宮口よりかなり人が少ない。アメリカ軍もこちらに下山しつつあるようだが、まだ大半は山頂付近に残っているようだ。空いている道を、快調に降っていった。すると途中、アメリカ軍の先行部隊がが登山道でソフトボール大の石を投げているのを目撃した。まさに目を疑うとはこのことだ。どうやら金剛杖で野球をしているらしい。このあたりでは過去、落石で死亡事故も起きているとのこと。こうした危険行為、親善登山以前の問題ではないだろうか? |
さて、気を取り直して、倒壊した小屋のあたりでスパッツを装着。この先砂走りもあるし、既に細かい礫がはねて靴の中に入りそうになっている。その後赤岩館を通過。クッションのきく地面をさくさくと降って、すぐに七合目に着いた。そこから先が御殿場口の砂走りだった。1歩3mとはいかないけれども、砂の道を快調に降っていくことができた。ただし、砂の中に人間の頭くらいの大きさの石が隠れているので、これにつまずかないように気をつけなくてはいけない。 |
宝永山の分岐で砂走りとはお別れ。御殿場口の最終バスは17時なので、富士宮口に戻るしかないのだ。いつか、この先の大砂走りも楽しんでみたいものだ。 |
宝永山へはほぼ水平な道を歩いていく。途中ガスの中に自分の影が映ってドッペルゲンガー(ご来迎)が見えた。なんだか宇宙人にでもなったようで恐ろしげだ。宝永山山頂はとっても地味な砂の丘。昔建てられたらしい方位盤の残骸が散乱している。人がおらず静かなので少し休憩を取った。宝永火口をガスが通り過ぎていき、富士山の山頂が見え隠れしている。 |
宝永山を出発。オンタデやホタルブクロが生えている中を、宝永火口の中へと降っていった。このあたりに来ると、下山している人の中には、かなり疲労困憊している人がいた。ベンチのある火口の底まで降りきると、そこからは新六合目への登り返し。さすがに富士山に登った後なので疲れはあるが、既に標高は2500程度なので、淡々と登っていく。山慣れていない人には、この最後の登りはこたえるだろうと思う。 |
にぎやかな新六合目に戻ってきた。小屋の前から、富士宮口の登山道を下山して行く。これから登る人や、観光で散策する人などと多くすれ違う。御殿場口とは比べ物にならないほどの混雑だ。夕方でもそれは変わらないようだ。 |
富士宮口五合目到着。ガスが晴れて山頂が見える。富士山の山頂は想像していたより近い山頂だったと思った。その後は、混雑する売店でビールを購入。バスの発車時間まで、ベンチで山行の余韻を楽しみながら、さらに持参の日本酒モードへと突入して行ったのであった。 |
新富士へは道の混雑もあって2時間弱のバス乗車。帰りはちょっと贅沢をして、新幹線で帰った(こだまの席はガラガラ)。その後、新横浜で下車したのはいいが、ついに東神奈川で高度障害(?)が出て、間違えて横浜行きの電車に乗ってしまった... |