2005年4月30日(土) 快晴
日帰り 同行4名
●ワンポイント
名前からは想像もつかないほど展望のすばらしい山。正面には甲斐駒、後ろ手には八ヶ岳と申し分ありません。頂上の白砂(雁ヶ原)はミニ甲斐駒とも言うべき美しさです。空気の澄んだ寒いときにもう一度登ってみたいものです。アプローチは公共の交通手段はなくて、車でないと厳しいでしょう。 |
●写真
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●交通
●山行:(歩行時間2:51)
登山口(矢立石)9:40-途中休憩15分-日向山(雁ヶ原)11:15-休憩105分-日向山発13:00-途中休憩5分-錦滝14:06-休憩14分-錦滝発14:20-登山口(矢立石)14:50 |
このところというものいろいろ余裕がなくて、去年の11月以来なんと半年も山をサボってしまった。そのうえ3月以降は花粉症が大爆発。今年はGWまで苦しめられるということで、余計に出不精になっている。そんななか、山を再開するきっかけを捜していたところ、年頭から3ヶ月間いっしょに働いてくれたWさんの実家に泊まりで招待してもらうことになった。場所は山梨の白州。山梨と言えば勿論山、ということでご近所の山へのハイキングも計画に入れてもらった。 |
それが今回の日向山で、はじめWさんからその名を聞いたときはよくある'中央線沿線の低山'程度の認識だった。ところが少し調べてみると、甲斐駒が正面に見える好展望の山らしい。俄然やる気になって臨んだのだが、出発前2日連続の飲み会+前日のサントリー&七賢&ワイナリー試飲ツアーがたたった上に、花粉症の鼻炎薬を飲んだので、かなり朦朧として登りに付く羽目になった。 |
当日のメンバーはWさんと会社の同僚のS氏、N氏、そしてBと私の計5名。ちなみにこの旅行ではS氏が車を出してくれたので、登山口までは珍しく車でのアプローチ。GWのためか林道にはすでに十数台の車がとまっており、駐車場所を探すのに一苦労した。 |
久々の山行には丁度良く、登りはきわめて緩やかだった。日向山には遠足で登ったことがあると言うWさんを先頭にゆっくりと高度を上げていく。スミレやらツツジやら、いくつかの花が花期を迎えている。登っている人は多く、前後いくつかのグループと抜きつ抜かれつ歩いた。特に助かったのはS氏のペースで、もともとゆっくり歩くのが好きなのだというその後ろについて行かせてもらうと、二日酔いや薬のダメージはほとんど感じなかった。こんなとき、意識してゆっくり歩くということはよい方向に働く。 |
特に急な箇所もなく、中盤を過ぎると明るいカラマツ林になった。丁度芽吹きの頃を迎えている。やがて頂上部らしい箇所を通過。そこはカラマツ林の中で、特に標柱も目に付かなかった。日向山の三角点はこの辺りの樹林の中に埋設されているらしい。しばらく行くと、急に足元が白砂になり展望が開けた。 |
砂浜のようになったそこが雁ヶ原。向こうには雪の残る甲斐駒が圧倒的な存在感で聳え立っていた。そして不思議なことに、白砂の中に花崗岩が点在する日向山の光景は、いつか登った甲斐駒の山頂そのものだった。山の組成が全く同じなのだろう。そこから見えるいくつかの山肌も、同じように白く崩れた谷筋を露呈させていた。 |
その砂の山頂で、まるで海水浴場で日焼けを楽しむかのように休憩を取った。5月の日差しがじりじりと暑い。それに耐えつつ(?)酒を飲むものは飲み、Wさんとそのご家族が用意してくれた弁当や漬物をありがたく頂いた。 |
甲斐駒の対面は八ヶ岳なのだけど、今日は霞みがかかってぼうっと見える程度。その間の眼下が白州町でそこがWさんの実家。Wさんが家に携帯で電話し向こうから鏡で合図を送ってもらうと光が確認できたと言う。実は500mm(!)の望遠レンズで皆並んだ様子を撮影して貰う約束だったのだけど、下からは靄で山頂の人形は確認できなかったらしい。残念。 |
酒が入ってすっかり爆睡したN氏の目覚めを合図に撤収。日向山山頂を後にした。いや、実はもっと滞在してもよかったのだが、暑さに耐えられなくなった、という方が当たっているかもしれない。雁ヶ原の砂原は谷底へと蟻地獄のように吸い込まれていて、登山道はそこをトラバースして下って行くので、一同登りとうって変わって慎重な歩みとなる。この白砂の降り、甲斐駒もそうだが、鳳凰山の地蔵岳から去るときのイメージにも近いものがあった。侵食された花崗岩が突き立っている様もまさにミニオベリスクのようだ。 |
雁ヶ原の砂原を抜け樹林帯へと入った。やれやれと思ったのもつかの間、ここから錦滝への降りは、意外と急坂で、所々鎖やロープ、鉄段が設けられていた。上から見ているとWさんの足取りが結構危うい。何度か山に同行してもらったことのあるN氏を先頭に危険箇所ではお互い声をかけ合いながら下って行った。意外だったのはBが全く淡々と降っていたこと。やはり何回かヘビーな山行に連れて行っているのは伊達ではないようだ。 |
錦滝到着。ここまで来れば林道なので一安心だ。みな緊張がほぐれ、滝の下で休憩を取る。沢水で顔を洗い、湧き水を口に含んで涼を得た。昨日見学したサントリーも良かったけど、酒はともかく、このシチュエーションで飲む天然水には何もかなうものはない。 |
錦滝を後にし、あとは林道歩き。ありがたいことに道は舗装もされておらず、新緑、ツツジ、ヤマザクラを楽しみながらの快適な30分だった。途中尾白川林道は所々崩落跡があり、結局駐車した辺りのすぐ上でゲートが設けられていた。こうした林道は、今回のように余り整備されすぎていないほうが、登山者にはやさしいものだ。 |
登山口で下山を喜び合ったのち、S氏の運転でむかわの湯に向かった。そこは、甲斐駒から降りた後にも寄ったことのある湯で、浴場が広いのでGWといえどもけっこうくつろぐことが出来た。その後一同はWさんの家で再び歓待を受けた。ご家族は気さくですばらしい人たちばかりだった。名残を惜しんだのち、もう一泊するS氏、N氏を残して、Bと私は後ろ髪を引かれつつ一足先に帰京した。 |
Wさんご家族には本当にお世話になりました。暖かいおもてなしに、お礼の言葉もありません。本当にありがとうございました。それとS氏には車を出していただき感謝しております。山行後疲れている中嫌な顔一つせず小淵沢まで送っていただきありがとうございました。 |