2002年7月28日(日) 曇り〜7月29日(月)曇り時々晴れ
テント1泊 単独行
●写真
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●交通
往路 | JR | 蒲田4:33 − 東神奈川4:48 |
東神奈川4:54 − 八王子5:48 | ||
八王子5:49 − 高尾5:57 | ||
高尾6:15 − 甲府7:44 | ||
山梨交通バス | 甲府駅8:00 − 夜叉神峠入口9:16 |
復路 | 山交タクシーバス | 青木鉱泉15:30 − 韮崎駅16:19 |
JR | 韮崎16:52 − 甲府17:12 | |
甲府17:28 − 高尾19:04 | ||
高尾19:11 − 立川19:33 | ||
立川19:43 − 川崎20:36 | ||
川崎20:41 − 蒲田20:46 |
●山行
1日目(歩行時間4:43) |
夜叉神峠入口9:32-夜叉神峠10:36-休憩13分-夜叉神峠峠発発10:49-杖立峠12:19-休憩10分-苺平14:02-南御室小屋14:38 |
2日目(歩行時間7:58) |
南御室小屋5:08-休憩15分-薬師岳6:49-観音岳7:22-休憩32分-山頂発7:54-アカヌケ沢ノ頭8:57-休憩10分-アカヌケ沢ノ頭発9:07-地蔵岳(オベリスク直下)9:35-休憩10分-地蔵岳発9:45-鳳凰小屋10:17-五色滝10:51-白糸滝11:18-滝往復10分-南精進滝12:42-休憩8分-南精進滝発12:50-青木鉱泉14:21 |
●記録文
マイペースで進めている自分の登山だけど、ついに(?)アルプスと名のつく山域にチャレンジ。南御室小屋幕営で鳳凰山を縦走することにする。先日買ったオスプレーのザック(イーサー75)のお試しも兼ねての山行になる。 |
朝の中央線で甲府まで。月曜休みが取れたものの、予報がだんだん悪くなり日月の山梨は曇りときどき晴れとのこと。新潟、長野は晴れだというので他に赤岳や常念岳、群馬新潟国境の朝日岳などいろいろ迷ったのだけど、南アルプスという響きにより倒されて鳳凰山に決めた。鳳凰山の位置なら同じ山域でも、天候の崩れは激しくなさそうだし。ずっと曇りだった車窓が勝沼ぶどう郷の盆地を過ぎたあたりからなんとか薄日が差してくる。今年も山梨のブドウ畑が瑞々しい。 |
甲府からは手馴れたおばちゃんの添乗で広河原行のバスに乗車。ザックを並べる順番待ちシステムがよい。広河原行は座れない乗客がいる場合、必ず増発が出るらしい。本日はバス1台に全員乗れるくらいの登山客。芦安村でトイレ休憩の後夜叉神峠入口まで。おばちゃんと運転手の噂話によると、下の岩園館より桃の木温泉のほうがおすすめらしい。 |
夜叉神峠入口着。駐車場は満杯。広河原も満杯との掲示。ほとんどの乗客が広河原まで乗っていったので、辺りは静かなものだ。峠にはトイレと売店と水場がある。空は曇りだけど今すぐ降りそうな感じではない。東屋の脇からまずは夜叉神峠へと進む。入口には御座石鉱泉の偽情報に注意、との掲示が。ネットで流れている、あるいは去年韮崎のタクシーの運転手から聞いた御座石鉱泉の悪評は本当だったのか...? |
1時間ほどなだらかで広い道が続き登りやすい。下山してくる人はカッパを着ているけど上は雨か...? 一汗かいて夜叉神峠到着。今日はザックの慣らしも兼ねているのだけど、どうも肩が痛い。少しベルトを調整してみる。夜叉神峠の小屋前には20人ほどの人が休憩している。辺りにはヤナギラン、ギボウシ、オニユリ等が咲いてにぎやかだった。雲間からは時折北岳の岸壁が顔を見せる。泊まりなので1日目の展望には期待せず、空も気になるし出発。 |
杖立峠への道は巨木の原生林の中を行く。道は相変わらずなだらかで足を高く上げる必要はなし。このあたりから2000mを超えてくるので歩みは一歩一歩ゆっくりと刻む。時折日差しも差すようになり、森を渡る風が心地よかった。杖立峠は樹林の中の小平地。鉄のやぐらがあって数人が休憩している。 |
更に進み苺平へ。急なところもなく、アップダウンもほとんどないので、ペースを乱すことなく進むことが出来る道だ。ただし、標高があがっているのでそれなりの息苦しさはある。途中何ヶ所か開けた場所があって、オトギリソウ(?)やキバナオダマキが花期を迎えていた。 |
苺平到着。もっと開けた場所を予想していたのだけど、たんなる樹林の中の十字路。ここにも鉄のやぐらがあって道標になっている。地図には辻山の展望よし、とあるけど、今日は曇りなので寄らずに通過。原生林のなかのなだらかなアップダウン40分弱で南御室小屋に到着した。 |
小屋で幕営の手続きを済ませ(400円也)、清水でキンキンに冷えたビールを購う(600円也)。テン場に移動しまずは乾杯。くぅーっ! やっぱりうまい! 正真正銘南アルプスの天然水で冷やされたビールは最高だった。しばらくボーっとしたのち設営。水場に移動して今度は冷たい水のほうをいただくと、これまた生き返るようなうまい水で。サントリーの水なんて偽物だと思う。水量も豊富で山の中の贅沢とはまさにこのことだった。 |
15時前に到着したのですることもなく、持参の日本酒を飲みながら、辺りをぶらついたり、中学生と引率教師のにぎやかなやり取りを眺めたりして過ごす。30張くらいはいけそうな広いテン場だけど、今日は10張。小屋のにいさんの話によると昨日は混んだが今日はそれほどでもないらしい。単独行には適度なにぎやかさだった。夕飯はカレー。レトルトだって美味しい。 |
やがて夜の帳が下りて就寝。夜中は遠くに雷鳴が響いて、雨が降った。夜のうちに雨が全部落ちて明日は晴れることを祈りながら眠った。 |
翌朝4時。中学生が置きだす物音で起床。暗い中トイレを済ませ、味噌汁に餅・揚げ玉投入の朝飯を食す。ちなみにここのトイレはペーパー備え付け、洋式便所ありでなかなか清潔だった。撤収し5時過ぎに一番で出発。まだ人気も少ないので用心のためクマよけの鈴を鳴らしながら行く。コイツは知床のお土産だ。 |
昨日と違って小屋裏から急な道が続く。一晩で高度順応したせいかそれほど息苦しくはない。快晴ではないのだけど、右手から差し込む朝日に稜線への期待が高まる。砂払岳手前でようやく展望を得ることができた。岩塊の向こうに観音岳が見えた。朝日に払われるように鳳凰山の稜線からガスが取れていく。今は曇天だけど近辺の展望は得られそうだ。薬師岳小屋を過ぎて、砂地に変わった登山道を薬師岳へと急ぐ。ふと足元を見るとピンク色の可憐な高山植物が花をつけていた。家で調べるとこれはタカネビランジという花だそうだ。朝露がついて朝日に映えて輝いている。 |
薬師岳からは鳳凰山最高峰観音岳への白砂の道を気持ちよく眺めることが出来た。これが中央線の車窓から見える夏でも白い稜線だったのか...残念ながら北岳・甲斐駒・仙丈方面は完璧にガスの中だった。 |
実に快適な稜線を観音岳へと進む。タカネビランジはそこここに咲いていてもはや珍しくもない(笑)。観音岳の山頂は石積みになっていて、ここに登ると薬師岳から地蔵岳の稜線を手にとるように眺めることが出来た。稜線の先端に突き上がる地蔵岳のオベリスクが光の加減で一段と映えて見えた。 |
立ち去りがたい思いを振り切って、鳳凰三山最後の地蔵岳を目指す。途中ロープを使って降る急斜面を通過。白砂の広場から鳳凰小屋へのまき道を見送ってアカヌケ沢ノ頭へ急な道を登り返す。朝からアップダウンが続いたのでだんだん息があがってきた。ピークを過ぎると甲斐駒がガスの中から姿をあらわした。荒々しいこの山にいつ登ってやろうか、と考える。 |
再び降ってクルマユリの咲く地蔵岳直下の砂地の鞍部に到着。何十体かの地蔵仏が砂の中に東を見てうずまっている。件の鉄のやぐらにザックを立てかけて、オベリスクをいけるところまで登ってみる。尖塔の根元までは足場があるので容易にいけるが、絶頂に立つのはどうなるか責任がもてないのでやめた。オベリスクの先端にはたくさんのイワツバメが旋回していた。振り返ると仙丈も雲間に顔を出していた。 |
下山。御座石鉱泉の悪い噂をたくさん聞いたので迷わずドンドコ沢コースへ。まずはオベリスクを振り返りながら砂の急斜面を鳳凰小屋へと降る。すぐに樹林となって、鳳凰小屋に到着。小屋のテラスで数人の登山者が休憩している。小屋前でオヤジが声をかけてきたがそそくさと通過。事前情報が多すぎてなんとなくキマリが悪い。 |
はじめの30分くらいは急なくだりもなく、鳳凰山からそのまま落ちてきたような巨岩の沢を見ながら降りていく。北御室小屋があった付近から先、巨大な滝が連続するけど、この間非常に道が悪い。南精進滝までは段差のキツイ足場の連続で疲れることこの上なし。あまり食べていないせいもあったかもしれないけど、何とか精神力で降りていく。助かるのは途中水が豊富なことで、冷たい清水を何回か飲むことが出来た。 |
南精進滝から先はアップダウンの多い道。ドンドコ沢の工事現場があって山側と川側の道に分かれていた。ここで山側の道を選択したけどこれがまた疲れた足に追い討ちをかけるような登り返しで。へとへとになって青木鉱泉にたどり着いたのは14時過ぎだった。実際御座石鉱泉(そして鳳凰小屋)がどのような宿なのかはわからないが、道だけを考えるなら御座石に降った方が楽そうだ。 |
青木鉱泉で風呂に入る。入浴料1000円はちと高い。しかも出たあとに瓶ビールを頼んだら800円。山小屋並の料金でちょっとびっくりだ。それでも山行後の風呂&ビールはやはり最高。バス待ちの時間小屋前で充実のひと時を過ごす。風呂で一緒だった人の話では、川側の道でクマを目撃したとのこと。クマの話はよく聞くけど自分はまだであったことはない(気付いてないだけ?)。 |
バスは小さく12人乗り。今日は空席二つだったけど乗れない場合はどうするんだろうか? 30分ほど悪路の林道を走って車は一路韮崎へ。韮崎からは鈍行に乗って、例の如く酔い酔いになりながら長い帰路に着いた。 |