山に行こう 山行記録 甲斐駒ケ岳

甲斐駒ケ岳

甲斐駒ケ岳 標高2967m・山梨県/長野県

2002年8月11日(日) 晴れ時々曇り〜8月12日(月)晴れのち曇り
テント1泊 同行1名
幕営地:仙水小屋(8/11)

●写真

写真を見る
写真を見る(JPEG 12枚 401K)その1
写真を見る
写真を見る(JPEG 9枚 221K)その2

●交通

往路JR蒲田5:47 − 品川5:56
品川6:01 − 新宿6:20
新宿7:02 − 甲府8:34
山梨交通バス甲府駅9:00 − 広河原11:12
芦安村営バス広河原12:30 − 北沢峠12:55

復路タクシー尾白川渓谷駐車場16:05 − 武川の湯16:30
武川の湯17:30 − 韮崎駅18:01
JR韮崎18:07 − 甲府18:21
甲府18:23 − 高尾20:08
高尾20:11 − 立川20:32
立川20:35 − 川崎21:27
川崎21:33 − 蒲田21:39

●山行

1日目(歩行時間1:31)
北沢峠12:59-仙水小屋13:40-設営38分-仙水小屋発14:18-仙水峠14:43-休憩72分-仙水峠発15:55-仙水小屋16:20
2日目(歩行時間8:31)
仙水小屋4:44-仙水峠5:12-駒津峰6:43-六方石7:15-甲斐駒ケ岳山頂8:03-休憩27分-山頂発8:30-七丈小屋9:59-休憩56分-七丈小屋発10:55-五合目小屋11:40-休憩10分-五合目小屋発11:50-刀利天狗12:17-休憩13分-刀利天狗発12:30-横手竹宇分岐13:29-休憩21分-横手竹宇分岐発13:50-途中休憩20分-竹宇駒ケ岳神社15:33-尾白駐車場15:40

●記録文

●1日目

夏休みも残すところ二日。夏山第4弾を決行することにする。友人のK氏が山に行くというので前日に電話で誘っていっしょに出かけることにした。新宿7時2分発の白馬行きで当初は常念岳に登る予定だったのだけど、朝になって長野の予報が悪くなったので、甲斐駒に行き先を変更した。ちょっと南アルプス続きで食傷気味なのだけど、やはり天気のいい山に登りたい、ということで。
甲府からは9時発のバスで広河原まで。甲斐駒には黒戸尾根から挑みたかったけど、時間も遅くなったので仕方ない。お盆休みに入ったので車が多く、芦安から先林道の通行はすれ違いで困難を極めた。あの荒れた林道にバスが3台連なっていくのだからすごい。広河原では1時間半のバス待ち。あれよあれよと言う間に炎天下のバス停に行列が出来て、北沢峠行きのバスは計5台になった。大荷物を抱えて景色も見れずかなり窮屈な思いをして北沢峠まで行く。合計3時間近いバスの移動でウンザリしてしまった。
北沢峠は人でごった返している。長谷村のバスもたくさん待機している。長衛荘も大混雑のようだ。この時期主だったの小屋は予約なしでは宿泊できないようだ。仙水小屋のテン場が埋まらないか心配なので、あまりゆっくりも出来ず北沢峠を後にする。北沢長衛小屋のテン場も込んでいて4-50張はあったのではないだろうか? それでもあと2-30張は余裕がありそうに見えたけど。
北沢沿いのゆるい登りをしばらくこなすと仙水小屋到着。受付をしてくれたのは折り目正しそうなオヤジさんだった。幕営料400円也。小屋脇には水が豊富に出ている。トイレもペーパー完備だった。テン場はそれほど広くなくて何とか10張程度。登山道脇のサイトだけど、北沢峠の喧騒が嘘のような静かなサイトだった。
設営を済ませ、時間があるのでK氏とともに仙水峠まで行ってみることにする。森を抜けると膨大な量の岩が堆積した谷があって、大きな石を伝って仙水峠へと上がっていく。この時間同じように仙水峠へ行く人もいるし、下山してくるグループも結構多い。皆軽装だ。夏の北沢峠から甲斐駒に登るというのはそのくらい手軽にとらえられているのかもしれない。
仙水峠からは摩利支天・甲斐駒の白い山頂が意外に近くに望まれた。ここから標高差700m程度だ。方々から眺めている三角錐の荒々しい姿と違って、ここから見る甲斐駒はいがいとずんぐりむっくりしている。白く滑らかな花崗岩が立ち上がる姿に明日も晴れることを願わずにいられなかった。仙水峠からは他に金峰山や地蔵岳や仙丈岳が見えた。1時間ほどK氏と酒を飲みながら語り合った。
雲行きも怪しくなってきたし腹も減ってきたので小屋まで戻る。小屋で更にビールと日本酒を購入(合わせて900円也)。ちょっと酒量が過ぎるかなと思ったけど、久々に一人じゃないテント泊の夕飯は最高だった。
●2日目

4時起床。入山者の数からして混むのは目に見えているので急いで撤収し山頂を目指す。仙水小屋からだけでなく、北沢峠からもライトをつけて続々と人が上がってくる。仙水峠辺りでご来光を迎える。多少かすみはかかっているけど、申し分ない天気だ。ガスが上がる前に、という気持ちがあるので、早々に仙水峠を後にして駒津峰までの急登にかかる。時折樹林が切れて、展望が利くので休憩を取りながら行く。ガスが出たり、取れたりしてヤキモキさせる天気だった。朝飯がまだだったので、行動食をとる。
ハイマツ帯になって駒津峰到着。ここは展望がよくて、目指す甲斐駒は勿論、南アルプスの主だった山並みが一望できる。富士山や中央アルプスも見えた。ぎざぎざした鋸岳の手ごわそうな岩場も観察できた。
駒津峰からはいったん急降下。巨石の六方石で直登コースとまき道に分かれるけど、今日はまき道から山頂を目指すことにした。道は岩場からやがて砂地に変わっていく。浮世離れした白砂の登山道を踏みしめて登る。途中摩利支天への支道があったけど、今日は黒戸尾根を降りるとK氏と決めて、時間の都合で摩利支天行きは断念した。花崗岩と白砂の世界を更に15分ほど。無心に登って山頂に到着した。
山頂からは360度の展望。ただ残念ながら今日は東側の展望は悪い。西から南にかけて仙丈岳・北岳・間ノ岳・塩見岳・鳳凰山がよく見えていて、この高さになると駒津峰では見えなかった荒川岳が間ノ岳の向こう側に顔を出していた。はじめ見えていた八ヶ岳がすぐにガスで隠れて、しばらくすると南アルプスの山並みも間歇的に見え隠れし始めた。山頂には神社があるけれど、ここにおまいりする人はほとんどいない。
人が増え続ける山頂を辞して黒戸尾根へと下山する。八合目の鳥居まではハイマツ帯の岩場の降り。辺りはガスに包まれて展望が利かない。ここから先七丈小屋までは梯子のかかる箇所が断続的に続く。落ちたらタダではすまないような所もあるけど梯子自体はしっかりしているので安心感はある。鎖場も2−3箇所あって北沢峠からの道と違ってアクロバティックな要素がある。あるいは信仰登山が求める苦行のようなものか?
小さな運動場のように綺麗に整地されたテン場があらわれて、第2七丈小屋、七丈小屋と続く。綺麗に整頓されていて感じのよさそうな小屋だ。ベンチにいた人に聞くと昨日の宿泊者は13人とのこと。やはり黒戸尾根は静かなようだ。水も豊富に出ていてうまいし、やはり一度ここに泊まらなくては! まだまだ長いくだりが続くので、ここで腹ごしらえをした。
K氏は膝やら内腿やらが痛いようだけど、頑張って降ってもらう。五合目小屋までも梯子と鎖の連続。え〜また〜? という感じでいい加減感覚も麻痺してくる。倒壊した屏風小屋を過ぎて五合目小屋到着。ここは古い小屋で無人のようだ(?)。何人かの登山者がいて黒戸尾根の楽しみを大声で語っている。彼らにとっては北沢峠側からの登山など邪道でしかないようだ。
五合目小屋から刀利天狗まではしばらくなだらかな道が続いた。K氏が快調に飛ばすが、本人いわく「止るのが大変だから」とのこと。大丈夫だろうか? 刀利天狗には祠があって昔日の信仰の面影が濃い。北沢峠側には一切なかったこうしたイコンが黒戸尾根にはたくさん残されている。
刀利天狗からしばらくはやせ尾根でここでは韮崎辺りの眺めが一気に開ける。両側はすぱっと切れているけど、それほど細い尾根でもないし木も生えているのであまり恐怖感はない。刃渡りも鎖完備で慎重に行けば特に危険というほどではなかった。ここを過ぎると後は樹林帯で、えんえん竹宇駒ケ岳神社までの降り。久々の登山になるK氏はだいぶ消耗したようで途中人事不省になりかけているので休憩を取りながら行く。黒戸尾根に引きずり混んだことを少し後悔する。ちなみに粥餅石あたりの登山道が崩壊とのことで、現在は冬道を通ってまいて降りるようになっていた。
どんどん気温が上がって沢の音が聞こえ始めると、避暑客などもうろうろするようになって尾白川に到着。吊橋を渡って竹宇駒ケ岳神社を通過。河原遊びの客がごった返す中を暑苦しい身なりで駐車場まで歩く。地元の人に聞くとバスはやはり廃止のようなのでタクシーを呼んだ。K氏と山行の労をたたえあってビールで乾杯。サービスで出た茶店のきゅうりと味噌の味が格別だった。
混む国道を移動して武川の湯に入る。風呂は家族連れで大混雑。施設は綺麗だけど温泉というよりはやりの健康ランドと言った感じ。ここでの情報では横手のほうに降りればバスがあるらしい(?)。人が多くて長居しても疲れるだけなので、待たせてあったタクシーで韮崎まで行く(7370円也)。韮崎からは鈍行で、チューハイやらワンカップやらを飲みながら酔い酔いになって帰った。

戻る

ホームページへ
(C)2002 Kazushige Koai