山に行こう 山行記録 甲武信岳

甲武信岳

標高2475m・山梨県/埼玉県/長野県

2001年8月18日(土) 雨〜8月19日(日)晴れのち曇り
テント1泊 同行1名

●ワンポイント

この日は信濃川上から毛木平まで村営のバスが出てました。これに乗れば梓山でおりるよりも1時間程度の短縮になりそう。千曲川源流を辿る道はだらだらと長くて意外と消耗しました(雨降ってたせいもありますが...)。評判の悪い(?)山頂ですが、南ア、八ツ、金峰山、両神山、浅間山などが見えました。

●写真

写真を見る
写真を見る(JPEG 15枚 431K)

●交通

往路JR蒲田6:27 − 品川6:36
品川6:41 − 新宿6:58
新宿7:16 − 小淵沢9:35(あずさ91号)
小淵沢9:50 − 野辺山10:24
野辺山10:58 − 信濃川上11:07
川上村役場バス信濃川上11:08 − 梓山11:33

復路タクシー東沢山荘13:30 − 牧丘町温泉13:55
バス窪平15:16 − 塩山15:41
JR塩山15:49 − 立川17:20
立川17:33 − 川崎18:28
川崎18:30 − 蒲田18:33

●山行

1日目(歩行時間4:40)
梓山11:35-毛木平12:33-休憩10分-毛木平発12:43-水源地標15:25-休憩10分-地標発15:35-甲武信岳山頂16:20-休憩5分-山頂発16:25-甲武信小屋16:40
2日目(歩行時間4:40)
甲武信小屋5:30-甲武信岳5:50-休憩60分-甲武信岳発6:50-甲武信小屋7:05-撤収25分-甲武信小屋発7:30-木賊山7:48-途中休憩80分-徳チャン近丸分岐10:50-西沢山荘12:25-西沢渓谷バス停(東沢山荘)12:55

●記録文

今週の月火に夏休み最後の登山と決めて、瑞牆&金峰へ登った私だが、中3日、金曜夜にどうしても血が騒ぎ、しぶる嫁さんのBを説き伏せ、ともに甲武信岳に登ることに決めた。関東は曇りで、長野-山梨中西部は晴れ時々曇りの予報。新宿からあずさに乗り、移動距離に応じて天候が回復することを祈ったが、高尾近辺で雨も降り出し思わしくない。甲府付近で多少日差しが出るも、小海線に乗り換え、途中の野辺山でいったん下車したときには、小雨が振り出す始末だった...ちなみに小淵沢でかった牛めし弁当は850円。おいしいんだけどやっぱり駅弁って量の割に高いよなぁ...一方Bは鮑めしとソフトクリームを購入。派手な雰囲気の清里駅などを横目に見ながら、つかの間の観光客気分を楽しむ。
観光地的情景とはまったく無縁の信濃川上で下車し、川端下行きの路線バスに乗る。登山客向けに、毛木平行きの季節運行の乗合バスもあったが、混雑しているようなので、このバスで梓山まで、ということに決める。途中地元の中学生が大量乗車してきて、えらい騒ぎとなる。梓山までは30分程度。550円也。梓山には(最近たまに見かける)秩父多摩甲斐国立公園とでっかい看板があるけれど、甲斐って前から入ってたっけ...?
梓山からはレタスやらキャベツやらの広大な畑の中を行く。収穫が最盛期なのか、農作業の車の行き交いが激しい。藤原紀香が川上村の宣伝をするぐらいだから儲かってるんだろうなぁ...NHKの特集でもやってたし。などと考えていると、あたりはだんだん霧雨状態。顔にあたる雨がうっとおしい。1時間ほどして農道も尽きる頃になると、霧雨だった雨が少しずつまとまってきた。うーむ...この空模様、今日はこのままだろうか...天気予報あてにならん!
林に入って砂利道をしばらく行くと立派なトイレと駐車場のある登山口に出る。信濃川上から毛木平行きの乗合バスはここまで入るようで1600円。一日1往復で帰りの毛木平発は11:30とある。こんな天気ならやっぱり乗っておけばよかったかなぁ...駐車場には十数台の車が止まっていた。
さて、準備を済ませると林道の頑丈なゲートを越えて、まずは千曲川信濃川水源までの登りにかかる。とはいうものの、この沢沿いの登り、ほとんど登りらしい登りがなく、ゆるゆると長時間の渓流歩きが続く。雨は落ちてくるし消耗するなぁ...まぁ、渓谷は美しいのだけど...雨と滑りやすい足元もせいであまり楽しむ余裕がなかった。途中で、乗合バス組に追いつき、これを追い越した。
道は千曲川源流沿いにずっと行く。これが長い。あと何キロとかあと何分とか掲示があればいいのにね、とBと話す。奥地に行くとバイケイソウなども咲いている。そしてゆるい登りにもうんざりした頃、源流の流れもだんだん細くなり、木橋を何回か渡り返してしばらく、ようやく千曲川信濃川水源地標にたどりついた。不思議なことに、本当にここから水が沸いて、沢が流れ始めていた。この付近はキノコも豊富で、知識があれば食用にできるのだろうが(川上村の看板には派手に採取禁止って書いてあったけど...)、ひとつだけ、タマゴタケかと思ったものが、家に帰って調べてみるとベニテングタケだったことが判明。食べなくてよかった&キノコって難しい...
寒いくらいの雨が降る中手早く腹ごしらえを済ませ、水源地標から奥秩父縦走路への急な登りにとりかかる。雨のせいで疲労が早いのか、けっこう息が切れた。30分ほどで、なんとか甲武信〜国師ヶ岳の縦走路に飛び出た。そこから左にもう30分ほど樹林の中を行き、最後ガレ場の登りを少しこなすと、甲武信岳山頂だった。当然展望はゼロ。雨も降ってるし、寒いし、本当はジンでも飲んで乾杯するつもりだったけど、それも忘れて手早く記念撮影を済ませ、甲武信小屋へ下った。山頂の傍らには濃厚なピンク色のシモツケソウが咲いていた。
ウッディな甲武信小屋にたどり着き小屋内で幕営料金を支払う。一名300円也。Bは小屋泊まりにも興味がありそうだったが、それほど大降りでもないし、テントで寝る事にする。ついでに日本酒も2パック購入。温かいお茶を振舞ってくれた小屋のおやじさんは、天気の悪い日の奥秩父が一番きれいだ、と言っていた。暖かい小屋を出ると濡れた体に外気が冷たい。これ以上ぬれないうちに、速攻で設営する。テントにもぐりこみ、日本酒やら、持参の梅酒やらをお燗してようやくひと心地ついた。豆などをつまみに酒を飲んで適当に温まったところで就寝。着替えのなかった下半身は一晩中冷え切ったままだった。雨は夜半までしとしとと降りつづけた。ちなみに本日の幕営者は単独行らしいツェルトが1張、にぎやかな中年団体が3張だった。それと小屋には1リットル50円の、ポンプでくみ上げた飲用水があった。こういう天気のときは水場まで行かなくて済むので便利。
翌朝晴れるのか晴れないのか、まんじりともせず一晩を過ごし、4時半くらいに他の幕営者の物音で起床。テントから顔を出すと、空が明るい。晴れだ。まずは気付けにジンを一杯。体を温めて、目を覚ますと、例によって味噌汁に餅投入の朝食を済ませ、好条件に期待を膨らませながら、再び甲武信岳山頂へ向かった。
山頂は雲海の上。正面に金峰、国師が見え、遠くには富士山、南アルプス、中央アルプス、そして八ヶ岳とその向こうには北アルプスがあって、槍ヶ岳がとんがっている。そのさらに右手には煙を吐いている浅間山、後ろの樹間からは、朝日をバックに両神山のギザギザが雲にぽっかり浮いている。360度の展望に大満足。昨日の雨がウソのようだ。小一時間も山頂にいただろうか。少しずつガスが沸き起こり、徐々に展望がなくなっていく。ガスの中にはリングのような虹が幾重にも出来て、幻想的な景色を作り上げていた。つかの間の見晴らしを楽しんだ私たちは、甲武信小屋へと引き返した。
テントを撤収しトイレを済ませ、おやじさんに西沢渓谷までの道を尋ねると、徳ちゃん新道を教えてくれた。これはおやじさんが作った道なのだろうか...? なかなかお茶目なネーミングだなー、と苦笑しつつヤナギランが満開の甲武信小屋を後にした。そういえば、小屋に泊まると付近の自然のスライドショーなどもあるらしく、HP(www.kobushi.com)も充実しているようなので、次にくるときは小屋泊りでもよいな、と思った。
木賊山まで軽く登り返し、展望のない山頂を通過。そのあと、進入禁止の鶏冠尾根への分岐を通り過ぎて戸渡尾根へと進む。余裕があればここで雁坂峠へ回遊することも可能。次に来たときはトライしてみたいものだ。戸渡尾根を下ってしばらく、見晴らしのよいガレ場があるので休憩。ちょっと休むつもりが、まだザックにスパゲッティやらパンやらが入っていたので、これを食して1時間半の大休止になった。
休憩ののち再び下山開始。千曲川沿いの道よりも急だが、思ったほどの急坂ではない。ただし単調かも。石楠花の季節なら、たくさん株があるのでよさそうかな。1時間半くらい下ると、近丸新道と徳チャン新道の分岐につく。小さな案内板があった。せっかくなので徳チャン新道を選択。こちらのほうがヌク沢におりないのでアップダウンが少ないのかもしれない。道は普通の登山道と変わらずよく整備されていた。
西沢渓谷到着。下山個所には徳チャン新道入り口甲武信岳まで5時間、の看板があり、西沢山荘のトイレもある。ここまでくると一般観光客のほうが多い。とりあえず下山の無事をBと喜びあい、東沢山荘のバス停へ。売店でビール購入。これを飲み干す間にタクシーを呼んで、牧丘町営の温泉へ。ちなみに牧丘タクシーを呼んだのだが三富村の笛吹の湯にはどうしても連れて行ってくれず、しきりに牧丘町営温泉を勧められた。三富タクシーだったら逆パターンだったのかなぁ? まぁ、牧丘町温泉はそれほど混雑もせず、きれいだったからよかったのだけど(入浴料500円也)。入浴後今度はワインを胃袋へ投入。酔いよいになって窪平からバスに乗り塩山へ。シーズンでほぼ満員の中央線に揺られて蒲田への帰路につきました。

戻る

ホームページへ


(C)2001 Kazushige Koai