2007年5月2日(水) 晴れ時々曇り〜2007年5月3日(休日) 晴れ
テント1泊 単独
●ワンポイント
鉢焼場尾根〜ヨモギ尾根、奥多摩小屋まで誰にも会わない実に静かな登山道でした。雲取というメジャーな山で渋い山行ができます。 |
●写真
写真を見る・その1(JPEG 20枚 1.39MB) |
写真を見る・その2(JPEG 19枚 1.13MB) |
●交通
往路 | JR | 蒲田5:27 − 川崎5:30 |
川崎5:41 − 立川6:35 | ||
立川6:50 − 奥多摩8:02 | ||
西東京バス | 奥多摩駅8:45 − 鴨沢西9:24 |
復路 | 西武観光バス | 三峯神社12:45 − 西武秩父駅13:54 |
西武鉄道 | 西武秩父14:37 − 池袋16:30 | |
JR | 池袋16:34 − 田端16:42 | |
田端16:45 − 蒲田 17:19 |
●山行
1日目(歩行時間4:46) |
鴨沢西9:30-御祭9:45-塩沢橋10:54-休憩9分-塩沢橋発11:03-途中休憩10分-奥後山13:30-休憩12分-奥後山発13:42-途中休憩5分-奥多摩小屋14:52 |
2日目(歩行時間4:19) |
奥多摩小屋5:52-雲取山6:43-休憩51分-雲取山発7:34-雲取山荘7:51-休憩20分-雲取山荘発8:11-大ダワ8:24-芋ノ木ドッケ9:06-白岩山9:14-白岩小屋9:25-休憩20分-白岩小屋発9:45-前白岩山10:02-お清平10:33-休憩7分-お清平発10:40-霧藻ヶ峰10:59-三峯11:49 |
●記録文
●1日目 3月の引越しの影響というわけでもないのだけど、山に関しては計画不足のまま突 入してしまった今年のGW。そこで、以前から 気になっていて、下調べもすんでいた雲取山のヨモギ尾根に出かけることにした。 ヨモギ尾根は後山林道から奥多摩小屋へとつながる道。登山地図上は点線に なっているマイナールートだ。こうした人の少なそうなコースにどうしても心が惹かれてしまう。用心のためGPSにルートを登録して持参した。 |
平日とはいえ今日はGW。鴨沢行きのバスは、10人ほどの立ち客が出て奥多摩駅を 出発した。平日の丹波行きは6時台と午後しかないので、朝家を出て後山林道へ 入るにはこの鴨沢行きのバスに乗るしかない。春らしい景色の奥多摩湖沿いを進 み、鴨沢で20人ほどの登山者を下ろしたあと鴨沢西まで乗車。御祭までは歩い て15分というアナウンスがあった。鴨沢西で降りたのは3人だけ。そのうち後 山林道に進んだのは私だけだった。 |
昨日荒れた天気は予報より早く回復に向い、日差しもさし始めていた。前回後山 林道に来たのは丁度5年前のGWだった。変わりやすい都会の景色とは対照 的に、この林道の新緑のみずみずしさは当時のままだ。後山川の流 れを見下ろし、山吹や山桜など眺めながら、御祭から1時間15 分ほどで塩沢橋に着いた。ここで林道と別れ、奥後山への山道へと入っていく。 その前に昼食のパンをかじり、クマ鈴をつけた。 |
塩沢沿いに作られた塩沢林道は長年整備されていないようで、ところどころ上部 から崩壊した土砂で道がふさがれている。しかし、その上に踏み跡がつけられて いるので、通行できないということはない。転がっている石の数から見て落石も 多そうなので、気をつけながら進む。やがて左手にうずもれかけた階段が 現れ、そこが登山道の入り口らしかった。道標は特にないのだが、ふと見ると纏リスの看板があった。 |
しばらく登っていくと丹波山入口という標識が現れる。持参の地図には丹波山 という山はない。首を傾げつつ、地図と地形を見比べて左に進むことにした。そ こから先、道は崩壊したような箇所があるかと思うと、石積みや桟道で整備され た箇所が現れたり、ちぐはぐな様相を呈していた。昔一度整備されたあと、今は最 低限の手入れのみされている、といった感じだろうか。特に斜面が上部から崩れ たような所は斜めに踏み跡がつけられていて滑りやすく、しかも足ひとつ分の道幅しかなかっ たりする。桟道が大量の落ち葉にうずもれて、足元がどうなっているのかわからない箇所もあった。斜面は後山川に深く落ち込んでいるので、踏み外さないように注意し て歩いた。 |
神経を使うような場所を何度も通過しながら、標高1100mあたりで 正面下から道が合流した。三条の湯からの道だろうか? 傍らの木には目印のテープが巻かれていた。そこを右 上に行くと、小さく「奥後山へ」という看板が下がっていた。再び分岐が現れ、 同じく右上の方へと登っていく。やがて明るい緑色の光がさしてきたかと思うと、 あたりは唐松の植林になった。新緑の唐松林は実に気持ちがいい。 |
再び雑木林になると、道は尾根を巻いていくようにほぼ水平につけられている。 GPSの高度は1200mを超えた。いい加減、奥後山へ向かう鉢焼場尾根への入り 口が現れてもいいはずだが...と不安に思いながら、足元の心細い登山道を進ん でいった。ミツバツツジの鮮やかな紫色の花が現れて、何枚か写真を撮っていく うちに、やがてさびた古い標識が現れて、奥多摩小屋への道を示していた。 |
そこから先しばらく行くと、広い尾根歩きと なった。あたりにはミツバツツジが咲いていて、暖かい日差しもあるので、実に気持ちがよかった。このあたり、その気になれば幕 営するスペースもふんだんにありそうだ。やがて、笹の中につけられた道を行く ようになると、奥後山と標識のある箇所に着いた。特に展望もな い静かな頂だ。小休止してしばし鳥の声を聞いた。 |
奥後山から奥多摩小屋へは2回ほど小ピークを越すことになる。あたりは奥秩父的な雰囲気の道 へと変わっていった。空は曇りがちになってきたが、天気は持ちそう。左手には飛竜山の山 並みが見え隠れし、右手には五十人平あたりの平たい尾根が近づいてくる。やが て廃道になっているらしい三条ダルミへのまき道を過ぎると、奥多摩小屋直下の水 場に出た。冷たい水でのどを潤し顔を洗った。 |
水を補給し、木段を登りきって奥多摩小屋到着。ついに御祭からここまで、だ れにも会うことはなかった。小屋を訪ねる と管理人が不在のようなので、とりあえずテントを設営する。その間、若干雨が ぱらつくも、すぐにやんでくれた。 |
ザックから菊水を取り出し、ベンチで早速飲っていると、上から降りてきた人に 「こあいさんですか?」と声をかけられた。「呑川避難小屋」にいつも書き込ん でくれているChakotayさんが、私の計画にあわせて、雲取に登って来てくれたと のことだった。嬉しいハプニングにしばし驚き、そのあとは夕暮れまで話しなが らあっという間のひと時をすごすことができた。 |
その後再び小屋を訪れ幕営料を支払った(400円也)。以前は何も売ってなかったのだけど、最近はビールを売るようになったようだ(500円也)。夕食は米をたいてコンビーフの缶詰をおかずにした。せっかくなのでChakotayさんのテントで一緒にとらせていただいた。ありがとうございました。 |
7時過ぎに就寝。夜は雨風もなく、良く眠ることができた。 |
●2日目 4時半、鳥の声とともに起床。ウィダーインゼリーを飲んでテントを撤収し た。水を汲んで、出発前にChakotayさんのテントに挨拶に行った。Chakotayさんは 鴨沢へと下山されるとのこと。一緒に降らせてもらってもよかったのだけど、自分はまだ山頂に登っていなかったし今日は初志貫徹で、三峯に降ることにした。またぜひどこかでご一緒できればと思う。 |
奥多摩から小雲取への登りにかかる。残念ながら富士山方面には雲がかかっていた。いったん樹林帯に入り、右手から朝日を受けながら、高度を上げていった。再び、展望が開け雲取の山頂が見え始めた。いつ来ても、気分のいいところだ。雲取山頂部にチョコンと乗っている避難小屋がかわいい。途中インド人(?)2人組と挨拶を交わす。そういえば昨日鴨沢でバスを降りるのを目撃して、どこに行くのだろうと思ったのだけど、まさか雲取まで登ってきていたとはオドロキだ(しかも軽装)。さっきは白人とすれ違ったし、雲取では外国人を見かけることがよくある。 |
最後の斜面をじりじりと登り、雲取山頂到着。この時間の避難小屋は静か。山頂には3人ほどの人がいるだけだった。眺望は、奥秩父一帯とその奥に南アルプスのほぼ全山雪のかぶった稜線が見えた。手前の和名倉山の巨体も懐かしい。ここで大休止。昨日の余り米をお茶漬けにして食べた。食後、単独の人に写真を撮ってもらい、会話する。昨夜の雲取山荘は20人くらいで空いていた模様。「今日は戦争だ」とのことだった。 |
1時間ほど休んで出発。樹林帯を20分降って雲取山荘についた。途中にはわずかばかりまだ雪が残っていた。山荘ではトイレを借用。ここのトイレは水洗。いつ来ても綺麗で下界と変わりない。募金箱にお金を入れると、「お金を入れてくれた人がいたわよ」と山荘のほうから話している声が聞こえ、なんとなくいいことをした気分になる。山荘前の水場も豊富に水が出ていた。 |
テント場の脇を抜けて、左手に両神山を垣間見ながら大ダワへと降った。日原への道を分け、今度は芋ノ木ドッケ、白岩山への登り返し。これが1時間ほどある。三峯への道は大ダワからとお清平からの2箇所、大きな登り返しがあるので、単なる降りと思ってはいけない。右手には、長沢背稜へと進んでいく道もある。木段を登り、芋ノ木ドッケの標識のある場所を過ぎる。芋ノ木ドッケ本峰は実はもう少し上方にあるが、樹林の中の何の変哲もない場所だ。さらにいくと、白岩山。ここの看板に光がさしているのを見ると、初めてK氏と一緒に雲取に登った時のことを思い出す。白岩山では、朝三峯を出てきた、という人と会った。「山頂までは1時間くらいですか?」と聞かれたので、「もう少しかかるでしょう」と答えた。 |
15分ほど降ると、白岩小屋についた。テラスで両神山、和名倉山を眺めながら一服する。近くの木でコガラらしき鳥がさえずっていたのでカメラを向けるとあっという間に逃げられてしまった... |
出発し、お清平へと降る。登ってくる登山者が多い。かなりの回数道を譲りながら、やはり今日は山荘は戦争になるんだろうなぁ、と思う。すっかり下山モードになり、どんどん降ってお清平に到着。ひと休憩し、スニッカーズをかじって補給しておく。 |
お清平からは再び霧藻ガ峰への登り返し。ここを登ってしまえば、後は三峯まで一気の降りだ。霧藻ガ峰の茶店でおじさんに話しかけられ座っていくように言われるも、バスの時間があるので、断って先を急いだ。そこから先、さらに登ってくる人が増えて、しばらく歩いては道を譲る、という繰り返しになった。いったい今日の雲取山はどんな混雑になるのだろうか? |
やがて三峯神社奥ノ院への分岐を過ぎ、しばらくいくと鳥居が現れて、登山口に達した。道は舗装路となって、三峯神社の駐車場の上に出た。今日は神社もかなりの人出になっているようだ。次のバスの時間まで1時間弱。急いで神社の境内を抜けて興雲閣へと向かった。興雲閣の温泉日帰り入浴は手ぬぐい付で500円也。風呂も広々としてそんなに混雑していないので、下山後の汗を流すのにちょうどいい。しかし、今日はあまりゆっくり風呂に使っているわけにも行かず、急いで風呂を出てバス停に向かった。途中、茶店で西武秩父までの間飲む酒を買っておく。 |
発車15分ほど前にバスに乗り込むと、やはり今日の人出のせいか、すでに空き席は数えるほどしかなかった。最後部の席に座り、後は独り酔っ払いモードへ。座席はちょいと窮屈だけど、下山後の酒はやはりうまい。 |
帰りは秩父湖、大輪、三峰口駅と通過し西武秩父駅へ。三峯のロープウェイが運行を止めて以来、休日は西武秩父への直通バスが出ているので、便利だ(平日は秩父湖で乗換えらしい?)。バスの窓から見た三峰口駅は大混雑で、SL乗車の待ち行列が200人くらいできていた。 |
しかし、西武秩父の混雑はそれ以上。バスを降りると渋谷・新宿並の人の出で、仲見世通りなど人を掻き分けて歩くような状態。トイレも大行列だった。西武秩父がこんなに混むことがあるんだ、とある意味感心しながら、何とか帰りの酒(源作印ワイン)を購入。なんと、レッドアローは19時台まで全席売り切れだったので、仕方なく急行に乗り、池袋まで2時間かけて帰った。もちろん酒飲みながら... |