2002年6月8日(土) 晴れ
日帰り 単独行
●ワンポイント
蒲田早朝発でもなんとかなりました。白根山の岩峰や五色沼をはじめとする湖沼を巡って、高山の雰囲気を満喫することが出来ました。前白根からの白根山と五色沼をセットにした眺めは特に印象に残りました。駆け足で巡るにはもったいないボリューム感です。 |
●写真
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●交通
往路 | JR | 蒲田5:24 − 新橋5:41 |
都営浅草線 | 新橋5:47 − 浅草6:00 | |
東武鉄道 | 浅草6:20 − 東武日光8:24 | |
東武バス | 東武日光駅8:31 − 湯元温泉9:53 |
復路 | 東武バス | 湯元温泉17:09 − 東武日光駅18:15 |
東武鉄道 | 東武日光18:42 − 下今市18:49 | |
下今市18:52 − 浅草20:32 | ||
営団地下鉄 | 浅草20:40 − 新橋20:54 | |
JR | 新橋21:00 − 蒲田21:17 |
●山行:(歩行時間6:32)
湯元10:10-湯場見平10:36-天狗平12:03-前白根山12:27-避難小屋12:53-奥白根山山頂13:51-休憩21分-山頂発14:13-弥陀ヶ池14:52-五色山15:40-国境平16:05-湯元17:03 |
先々週の男体山に続き、今週も日光方面に進出。いろんな方向から見ている日光白根山に日帰りで登ることにする。東京を朝出るとどうがんばっても湯元温泉着は10時。予定している湯元〜前白根〜奥白根〜五色山〜国境平〜湯元の標準コースタイムは7〜8時間だけど、できれば湯元発17時過ぎのバスに間に合わせたい。近頃残業続きで体調はいまいち。前夜から緊張まじりの出発となる。 |
浅草6:20発の東武日光行きはやはり混雑。ダッシュで東武日光の駅舎を出てバス停に並ぶ。今日は東武日光始発の臨時バスが先にきて余裕で着席することが出来た。乗り切れなかった人たちは次のバスを待つ。中禅寺湖畔から先、細かい乗り降りが多く湯元温泉到着は10時近くになった(1650円也)。下車すると日差しが強く意外と暑い。もう夏だ。 |
余談だが東武線は電車は安い(JRの半額!)けどバスが高い。懐に呼び込んでゆっくり料理、といったところか(笑)。 |
登山道に向かう道がわからず旅館案内所で聞くもいまいち要領を得ず。ビジターセンターに行けと言われそちらに進むとキャンプ場への案内板があったので、多分そちらだろうとめぼしをつけて右に曲がる。しばらく行くと今は休止しているスキーのリフトがあって、登山者用のポストもあった。20分ほど炎天下のスキー場の斜面をだらだら登る。この時間なので前後に登山者はいない。 |
湯場見平で白根沢と出合って左手の登山道に取り付く。しばらく行くと新道と旧道の分岐。旧道は沢沿いで雪渓の中に埋もれていた。持参の地図には新道しかないので、そちらに進む。ここから傾斜がきつくなり木の根も多くなって歩きづらくなる。時間がないので休む余裕もなく、息を切らせて高度を稼ぐ。後ろには男体山が見えている。途中石楠花の開花しているところがあってピンク色の花にしばしなごむ。 |
樹林の中の急登攀一辺倒、1時間強で稜線に出る。ここで本日始めての登山者と出会う。右に折れて平坦な道をしばらく行くと白根沢の源頭部に出合った。解け出した雪渓の中を登って行く。雪のとれた場所には大量のバイケイソウ(?)が芽吹いていた。雪渓を登りきると天狗平。前白根まではあと30分ほどだ。芽吹き前の樹林も疎らになり、振り返ると男体山、太郎山の眺めがよかった。女峰山は大きなガスが沸きあがっていて、隠れていた。 |
前白根到着。前方に圧倒的な迫力で奥白根が立ち上がっている。ものすごいボリューム、ものすごい岩の堆積。山腹には幾筋かの雪渓が白く流れている。少し前方によると五色沼とセットで眺めることが出来た。ブルーとグリーンの混ざった色合いが美しい。蒸気でかすんだ向こうに燧ケ岳、皇海山のシルエットが見えた。標準コースタイムを見ると奥白根までは1時間半。巨大な山塊にとてもその時間でたどり着く気にならない。 |
誰も人がいないのでゆっくり休みたいところだけど、今回は奥白根登頂が目的。後ろ髪を引かれつつ砂と岩の前白根を後にした。しばらくは右手に五色沼を見ながらの稜線歩き。このあたりにきてようやくいくたりかの人とすれ違うようになってきた。足元には雪解け水に小さな花々が咲き乱れていた。 |
やがて白根隠山に続く踏み跡を右にそれて急降下。けっこう降って避難小屋に着く。小屋はちょっと古くてすっぱ臭い。10人以上は泊まれそう。水場はない(?)。この辺で飯にするかどうか迷ったのだけど、奥白根への登りがどのくらいかかるかよめないので、山頂までおあずけにした。そういえば登るのに夢中で自宅で朝飯を食べて以来何も口にしていない。黒糖を2つかじる。 |
笹原を数分行き、奥白根への急なガレ場の登りに取り付く。シャリバテか、高度が上がっているせいか、休憩不足か、とにかく息が上がる。登り一方、降り一方の男体山と違って、縦走の疲労が蓄積している。必死の思いでガレ場を攀じると、道はやがて砂礫に変わった。さすがに2500mを超えるといつものノリでは歩けない。一歩一歩が苦しい。 |
砂礫を乗り越えると右側に断崖、左側に火口原と白根神社、そして正面間近に岩石の堆積した奥白根山頂が見えた。息を整えながら岩場を登って山頂到着。やっとついたー、と思ったら、狭い山頂に百人くらいの中高年集団が到着し始めて、えらい騒ぎになってしまった。反対側から来たから、多分菅沼から登ってきたか丸沼のリフトできたかだろう。バスまであまり時間もないので早くいなくなって欲しいのだが、次から次へと蟻の子のように山頂にやってくる。写真も取れないので少し降って昼飯にした。 |
午後になって、いっそう見晴らしが悪くなっている。かすんだ向こうに日光連山が見えるだけだ。しかし山頂部一体は複雑なうねりを見せていて面白い。断崖の眼下には五色沼が見える。山頂直下まで続く急な雪渓に誰かが登った足跡がついていて感心した。 |
百人軍団が火口原の広場に集結したので、再び山頂を踏み、写真をとる。そのまま山頂を通過し反対側の弥陀ヶ池へと降り始める。現在14時過ぎ。なんとか17:09湯元発のバスに間に合わせるつもり。疲労がくだりにも影響して、いつもよりスピードが出ない。もどかしい思いをするが、急なガレ場だし、怪我をしては本末転倒なので、ここは抑え目に進む。くだりでもたまに呼吸が苦しい。 |
眼下には五色沼と同じ色合いの弥陀ヶ池が手前に、菅沼や丸沼が向こうに見えた。ぐんぐん高度を下げて丸沼方面への分岐に到着。雪が解けて小さな小川のようになった道を弥陀ヶ池へと進む。淵に立つと小さな沼で、上方から見たときのようなグリーンの色合いはない。ここからは菅沼方面に木道が延びている。ゆっくり休みたいところだけど時間がない。 |
ここから五色山までは登ること50分。五色沼にも寄ってみたかったけど、もはや時間も気力もない。右手に五色沼や奥白根を眺めながら登り返していく。途中運動場ほどの笹原があって、鹿が2匹ものすごいスピードで横断していった。反対側でこちらの様子をうかがっている。丹沢や奥多摩の鹿よりかなり用心深い。 |
へろへろになって五色山到着。他に比べれば地味な山頂だけど、西日をバックにした奥白根のシルエットが見えた。あとは五色沼が見えるくらいでそれ以外の展望はない。白根山はここで見納め。1-2分休んで、国境平〜湯元への道へと進む。国境平への道には豊富な残雪があって思うようにスピードが上がらない。ステップを踏むのももどかしく、何回かずるずると滑って降ったが、手をついてブレーキをかけたらしばらく焼けるような冷たさが残った。 |
20分のところを25分かかって国境平到着。金精山と湯元への分岐だ。雪渓の向こうに温泉岳の断崖が見えた。ここから湯元までは標準で1時間半。17時過ぎのバスまではあと1時間。中ッ曽根に進み、樹林の中を転がるように降っていく。傾斜が急で木の根が出ているところでブレーキがかかる。所々展望があると湯元温泉と湯ノ湖にぐんぐん近づいているのがわかる。意識が朦朧として挫折しそうになるがナントカ足だけは前に出ている。気力だけで下山する。 |
やがて沢の音が聞こえてきて地図を見るとバス停まであと20分の地点まで来た模様。登山ポストが現れ舗装路に飛び出る。時計を確認すると16時56分。間に合いそうだ! 温泉宿やペンションのある道を一直線に進みバス停到着。17時03分だった。妙な達成感があった。 |
あとは持参の梅酒を飲みながらバスに揺られて東武日光へ。さらにビールとワンカップを追加して、特急に乗って東京への帰路についた。本日は遅いスタートで展望が悪かったせいか、前白根からの景色が一番印象に残った。疲労困憊で奥白根登頂の記憶があまりない。なんとか日帰りでいける山とはいえ、やはりどこかに一泊して登った方が、充実した山行ができるだろう、と思った。今回のようにあせって登るにはもったいない山だ。 |