2003年3月2日(日) 快晴
日帰り 単独行
●写真
写真を見る(JPEG 8枚 328K) |
●交通
往路 | JR | 蒲田5:17 − 品川5:26 |
品川5:28 − 池袋5:55 | ||
西武鉄道 | 池袋6:02 − 飯能6:59 | |
国際興業バス | 飯能駅7:10 − 名郷8:03 |
復路 | 国際興業バス | 名郷15:25 − 飯能駅16:32 |
西武鉄道 | 飯能16:38 − 池袋17:32 | |
JR | 池袋17:37 − 田端17:46 | |
田端17:47 − 蒲田18:21 |
●山行:(歩行時間4:35)
名郷8:10-石灰石採掘工場8:46-鳥首峠9:44-休憩52分-鳥首峠発10:36-ウノタワ11:25-横倉山11:45-大持山12:05-休憩69分-大持山発13:14-妻坂峠14:05-大場戸橋14:35-名郷14:46 |
早いもので今年ももう3月。昨日は春の嵐で暴風雨が夜半まで続いた。一転本日は晴れとの予報。雨後はきっと快晴に違いない。期待を胸に秩父の渋めの山、大持山に向かう。できれば武甲山もセットで登るつもり。いつもそうだが、早朝の渋谷〜新宿間は最悪の雰囲気だ。次回こそは田端回りで。 |
登山口の名郷までは飯能からバスで1時間。途中のバス停から、地元のハイカーがけっこう乗ってきてバスは満席となる。しかし大半は名郷よりも手前で降車。名郷で降りたのは数名だった。降りた途端猛烈な横風に襲われる。天気は回復したが、風はおさまっていない様だ。トイレを拝借し車道を白岩方面へ進む。 |
沢沿いにキャンプ場が点在している。唯一同じ方向に進んでいた登山者は山中方面へ。自分は大場戸橋を直進するコースなので独りになった。更に行くと林道の末端に石灰石の工場があった。武甲山にも同様の工場があったのを思い出す。登山道入口にある工場のトイレは登山者使用禁止とのこと。タダでさえイメージが悪いのだから、トイレぐらい貸してくれれば、お互いの溝も少しは埋まる思うのだが...まぁ、マナーの悪い登山者がいることも確かだけど。クマが出るとのことなのでここからスズをつける。 |
鳥首峠への登山道は工場の敷地を通り、採掘施設の間を行く。発破のときはサイレンが鳴るので避難しろとの掲示がある。これも武甲山と同じ。しばらく進むと放棄された白岩部落がある。廃屋が数件、暗いたたずまいを見せている。辺りは植林一辺倒。時折風の道に当たる箇所に出ると突風が襲ってくる。そうでなくても、遠くや近くや上のほうで、風のうなる音が絶え間なく続いている。途中沢に下りた向こう側の道が崩壊していてわかりづらかったが、しばらく行くとハッキリした道がついていたので安心した。 |
道の凍った箇所が増え始め、尾根の向こう側から雪が吹きだまった箇所を乗り越えるとそこが鳥首峠だった。峠に出た途端、反対側の谷からの猛烈な風の突き上げに身をさらすことになった。油断すると体のバランスを崩してしまうくらいの風だ。これから白岩に降りる登山者が、「尾根は風が強いですよ。今日は危ない。」と言い残してほうほうの体で降りていった。 |
一人取り残された(?)鳥首峠で、進退を考える。このまま帰るのではもったいないし、とりあえず進んでみることにする。しばらく進んで気がつくと高度が下がる一方。どうやら間違えて浦山へ下山する道に踏み込んでしまったらしい。道標を確認する余裕もなかったためだ。この調子だと確かに危ないので、再び鳥首峠に戻って、風のない箇所で、風が弱まるのを待つことにする。テルモスのほうじ茶を飲み、甘酒を作って飲んだ。後発のバスで着たのか、単独行と年配の夫婦が通過していった。 |
一時間弱の停滞ののち再び出発。風は微妙に弱くなってきたような気がする。少なくとも先ほどのような突発性の強風はなくなった。日も上がってきたので奪われる体温もさほどではなくなったように感じた。林の中の小ピークに登りついた頃には峠にいたときよりも風は弱まっていた。やはり峠は風の通り道なのだ。 |
やがて、突き出た岩場から見晴らしのいい箇所があって、長沢背稜と奥秩父の山々、両神山が見えた。長沢背稜の稜線直下までつけられた天目山林道が痛々しい。そこから先、凍った岩場のくだりで多少てこずるようなところもあった。高度が上がるにつれ、残雪が現れ始めた。しかし、この様子だと昨日の大雨は、この高度では雪にはならなかったようだ。新しい足跡がないので、先ほどの2パーティーは諦めて下山したか? 途中、送電線にのぼって工事をしている電力会社の人がいたので感心した。強風で断線でもしたのだろうか? |
広場のようなウノタワに到着。開放的な場所だ。あたりには雪が豊富に残っている。風がなければゆっくりしたいようなところだけど...ここから横倉山へは急坂の登り返し。展望のない横倉山だったが、雪がけっこう残っている。そして妻坂峠への分岐点へといったんくだる。北面なので雪が豊富。それでも圧雪になっていいる箇所は少なく、楽に降りることが出来た。 |
見晴らしのいい分岐点からは武蔵野の山々を間近に眺めることが出来た。関東平野も一望だ。山頂はここからひと登り。再び風の勢いが増してくる。登り着いた山頂は狭かったが、木々の間から近くに長沢背稜や両神山、遠くに奥秩父の山並み(甲武信岳とか)と、そのさらに奥に、真っ白な南アルプスの山脈が連なっているのが見えた。 |
本当は武甲山まで行くつもりだったのだけど、今日は風も強いしここまでと決める。無人の山頂から去って、風の少しでもないところに落ち着いて、お燗して一杯やる。体が温まったところで、カップラーメンを食して満腹となった。 |
下山は妻坂峠経由で再び名郷へ。妻坂峠への道は残雪が豊富で、所々膝まで埋もれるような箇所があった。しかし、おおむねひどい凍結はなく、アイゼンを使う必要はなかった。酔った勢いで快適に飛ばし、あっという間に妻坂峠へ。樹間から逞しい武甲山の裏側を望むことが出来た。この向こう側がぼろぼろに削られているかと思うと悲しい。 |
妻坂峠からは植林帯の降り。どんどん降ってすぐに林道になる。舗装路を進んで、ウノタワへの道を分け、朝通った分岐の、大場戸橋へ。ここから名郷へは一投足だ。のどかな名郷の売店で酒を買って一服。やってきたバスはがらがらで、途中さわらびの湯で混雑するも、酔った勢いで、気持ちよく蒲田への帰還となった。 |