山に行こう 山行記録 笹子雁ガ腹摺山

笹子雁ガ腹摺山

標高1357m・山梨県

1998年11月21日(土) 晴れ
日帰り 単独行

●ワンポイント

山頂は狭いです。富士山や三ツ峠辺りが良く見えますが、昼くらいには逆光になってます。お坊山方面からは小金沢連嶺〜大菩薩辺りの眺めがよいです。

●写真

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●交通

往路JR蒲田5:16 − 川崎5:20
川崎5:32 − 立川6:27
立川6:43 − 笹子7:56

復路JR笹子15:32 − 高尾16:30
高尾16:32 − 東京18:12
東京18:15 − 蒲田18:40

●山行:(歩行時間6:06)

笹子駅8:00-新中橋8:39-笹子雁ガ腹摺山頂10:05-(休憩1時間5分)-山頂発11:10-米沢山12:03-(休憩10分)-米沢山発12:13-お坊山12:46-林道終点(滝子山分岐)14:20-笹子駅15:21

●記録文

異様な暖かさは先週の土日で最後。めっきり冷え込んできて、最低気温が3度なんて日も現れ始めた。3連休なので雪の振る前に奥多摩でテント泊でも、と思ったのだが、同行の予定だったKが仕事でキャンセル。急遽Y氏を誘うがこちらも3連休仕事ということで、今回は泣く泣く単独日帰りとなった(この時期独りでテントだとあまりにも寒そうだし)。最近新しい1眼レフを購入した私は試し撮りがしたくてしょうがないので、富士山の見える山、笹子雁ガ腹摺山を選んだ。
なんといっても寒いのは車庫から出てきたばかりの電車だ。登る前に冷えきってはかなわないと思い、いつものジャージにヤッケをはいて出かけた。立川に着くと先週の大混雑がこの寒さで一段落。甲府河口湖行きも奥多摩行きも少し立ち客がいるくらいだった。昨夜はなぜかよく寝れなかったので、朦朧とした頭で笹子駅に降りるが、きんきんに冷え切った空気で一気に目がさめる。笹子駅は切符の自動販売機もない小さな駅だった。店もないので下山予定の甲斐大和で酒が調達できることを祈りながら駅前の国道20号を笹子トンネル方面へと進む。うわさどおり地元の小学生の隊列に「おはようございます」と挨拶され気分がよいが、その一方で行き交うトラックの排ガスを浴びつづけることになりげんなりした。新中橋までは写真を撮りながらゆっくり行ったので40分もかかってしまった。
笹子峠へ向かう旧道に入ると車の往来がまったくなくなり静かになる。車道とわかれここからが本格的な登山道だ。山頂までは2時間弱の行程。植林帯の登りだがすぐに暑くなってヤッケを脱いだ。しばらく登ると鉄塔の下につく。この山域は送電線が張り巡らされていてちょっと目障りだ。ここで一人目の登山者と挨拶を交わす。今日は人も少なく静かな山行になりそうだ。ざれた急斜面に落ち葉がつもってすべるので、立ち木につかまりながら徐々に高度を上げる。途中見える笹子雁の山頂部はとんがり帽子のようだ。ふりかえると木の間から三ツ峠山越しに富士山が見える。三ツ峠の悲劇を繰り返さないようにここでまず何枚か写真を撮って山頂へと急いだ。
結局他にはだれにも会わず登頂。反射板の横には2人の登山客が休んでいた。思いのほか日差しが暖かい。山頂からの展望は言うことなし。御坂の山々の向こうに立ち上がる富士、御正体から秋山・道志への山並、甲府盆地の向こうには南アが霞み、その右手には奥秩父の峰峰が高く連なる。大菩薩から滝子山へと至る小金沢のカヤトが手にとるようだ。ラーメンを食べて写真をばしばし撮っていたらいつのまにか1時間以上たってしまった。今日はまだ4時間近くの行程を残しているので、11時過ぎには狭い山頂を去る。山頂はいつのまにか大人数のグループで足の踏み場もなくなっていた。
米沢山を経てお坊山に至る道はハイキングというには少しヘビーだ。かなり急なアップダウンがいくつも現れるし、米沢山の手前にはちょっとした鎖場もある。まーこれは予想外のハプニングでけっこう楽しめた。途中一箇所張り出した岩場からの展望がよく、笹子雁と富士山を一枚におさめることができた。狭い米沢山山頂からは樹林越しに大菩薩が見えるだけ。少し休憩して再びお坊山へとアップダウンを繰り返す。とにかく急下降急上昇が続くので息はぜいぜい、足はじんじんになってしまった。左手日川渓谷の紅葉がけっこうよいのが唯一のなぐさめになる。お坊山山頂も狭くてあまり展望がよくない。今までの急坂は何だったんだろうと思わせるような広くて緩傾斜の道を走るように下るとベンチがあって、大菩薩から滝子山にかけての明るい眺めで一息つけた。
さて、ここからが今回問題の下山路だ。大鹿峠を経て甲斐大和に下る予定だったのだが、どこをどう間違えたのか東よりに下ってしまい、滝子山との間にある林道に出てしまった。林道を少し登り返すと滝子山への登山口があった。下る尾根を一つ間違えたらしい。途中滝子山の位置からして明らかに下る方向を間違えているのに気づいたのだが、道がかなり広くベンチなどもあって整備されていたので、そのまま下った。私の持っている地図にはこの超つづら折の道(とにかくこれでもかというほど折り返す道だった)は載っていなかったので不安もあったが、別グループが下っていったので、それについていくと結果的に笹子から大鹿峠に向かう林道に出たようだ。これでは甲斐大和へ出ることはできないのでしかたなく笹子駅に向かう。約1時間の行程だ。お坊山から大鹿峠への道はしっかりした道標がなかったように思う。落ち葉に埋もれて道もわかりづらくなっていたのだろう。日が短い時期だったので、ちょっと冷や冷やした。
国道20号の歩きはあいかわらず大型車の猛スピードに悩まされたが、途中笹一酒造でうまい生酒を手に入れられたのはラッキーだった。もちろんそいつをあけて、帰路に着いたのはいうまでもない(しかしおかげで立川で寝過ごしたうえにJRの事故に巻き込まれて高尾から東京まで1時間半以上かかってしまった...)。

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