山に行こう 山行記録 谷川岳

谷川岳-トマの耳

標高1963m・群馬県

2001年9月8日(土) 晴れのち曇り
日帰り 同行1名

●ワンポイント

天神平からの道は平易です。それだけに人もうじゃうじゃいましたが。西黒尾根の下降はスケールの大きな岩場が爽快でした。

●写真

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●交通

往路JR蒲田6:36 − 品川6:46
品川6:48 − 新宿7:07
新宿7:18 − 土合10:14

復路関越バス谷川岳ロープウェイ土合口駅17:15 − 水上駅17:32
JR水上18:10 − 上野20:30
上野20:41 − 蒲田21:10

●山行:(歩行時間5:21)

土合10:23-谷川岳ロープウェイ土合口駅10:43-(乗車10分)-天神平駅10:53-熊穴沢避難小屋11:30-谷川岳山頂12:29-(休憩1時間16分)-山頂発13:45-ラクダのコル14:30-谷川岳ロープウェイ土合口駅17:10

●記録文

今日は甲武信岳以来20日ぶりの山行。日帰りで谷川岳に出かけることにした。毎週自分が山に行っていることを耳にした友人のK柴氏が山に興味を持ってくれたようで、今回の同行者となった。ちなみにK柴氏は普段山に登られない方。某アニメの演出家である。アニメ製作という不規則な日常生活と、朝の早いタフな山登りは果たして相容れるものなのか...!?
今回は新宿からの臨時快速「一村一山号」で出発。土合まで3時間の乗車となる。土合に到着すると真っ暗な地下駅は寒いくらい涼しく夏とは思えない。まるで冥土にやってきたようだ。400段を超える強烈な雰囲気の階段をひたすら昇って地上へ。階段脇には小川などできていたりしてすごい。土合は無人駅で外には自販機ひとつしかない。土合ハウスなる建物はあるも、営業しておらず廃屋のよう。下車した登山客は数十人。駅の前にはジャージ姿の中学生が百人ほど待機しており、山間のひっそりとした雰囲気とは別空間となっている。ちなみに、駅舎で高崎方面の時刻表を見ると、午後は15時半と18時半の2本のみだった..。
車道を20分ほど歩いて谷川岳ロープウェイの土合口駅に到着。まだまだ夏の面影は色濃く、強烈な日差しを浴びて、すでに二人とも汗だくに。夏山と紅葉の狭間の閑散期なのかここはさしたる混雑もなく乗車。天神平までは1000円也(往復は1900円)。このロープウェイ、ゴンドラがゆれる瞬間はけっこうスリルがあった。天神平には大きなレストハウスなどがあり、普通の観光客が大勢登ってきている。さらに上のほうにはスキーのリフトが登っていて、これに乗ればお手軽に谷川連峰の景色が眺められる仕組み。
天神平からの道は木道が整備されており、30分ほどで熊穴沢避難小屋へ到着。この間は白髪門や朝日岳、そして谷川岳の眺めがよかった。小屋内はきれいに清掃されている。床はコンクリートだけど、ここに泊まることもできるだろう。このへんまでは手ぶらで歩いている観光客が多い。登山道が整備されすぎているせいもあってちょっと物足りない。
さて、さらにしばらく登ると、すぐに森林から抜け出て、徐々に岩場やガレ場の登りに。いつのまにか、どこからともなくガスが湧き出て、本日の展望はまったく望めない状況になってしまった。残念...一方、登山初体験のK柴氏は、景色や山の雰囲気、そして歩くこと自体に軽い興奮を覚えながら、ここまでなかなかいいペースで登ってきている。
本日はかなりの入山者があるようで、途中いくつかある岩場の登降で、渋滞が起きていた。すれ違いのせいか、K柴氏もなかなか自分のペースがつかめないようだ。そうこうしているうちに何とか肩の小屋到着。テーブルのある小屋脇ではたくさんの登山者が休憩していた。さらにリンドウの咲く道をもうひと登りで谷川岳山頂に着いた。天神平あたりから見えていた二つの耳の一つトマの耳だ。昼食を食し、K柴氏もようやく一息ついて、初めての山頂制覇の余韻を楽しむ。条件が悪く景色は何も見えず、ちょっと初めての山の印象はよくなかったかな...?
1時間ほどの休憩の後、下山は西黒尾根へ。3時間弱で土合まで下る予定。あたりはだんだんガスが濃くなって、風もかなり強くなってきている。標識やペンキを確かめながら迷わないよう慎重にいく。このあたりはトリカブトやコゴメグサなどいくつかの花が咲いていた。山頂直下からラクダのコルを過ぎたあたりまでは岩場の連続。いくつか鎖場もあって、K柴氏にも緊張と疲労が漂う。とにかく慎重に下ることを心がけゆっくりと通過していった。
ラクダのコル直下の鎖場を過ぎると道は樹林帯へ。気象条件は急に穏やかになる。道は木の根や岩が露出して歩きづらい状況が続き、ここまでの岩場の疲労もあいまって、K柴氏の疲労は頂点へ。休み休み行くことにするが、はた目にもかなり苦しそう。初回からこんな山につれてきてしまったことを後悔する。キノコなど探しながら気を紛らわせて行く間は少しくつろぐも、日が傾くにつれ余裕もなくなり、見ていても痛ましい極限状態へ。しかしどうしようもないので、ゆっくりながらも何とか歩いてもらう。登山道の最下部のほうに至って、ロープウェイの放送が聞こえてきたあたりで水場に遭遇。ここでなんとか息を吹き返してもらい、ついに車道までたどり着いた。最後はよほど達成感があったのか、K柴氏は「やったー、やったー」と連呼していた。本当にご苦労様でした。
明るい雰囲気の登山指導センターを過ぎロープウェイの土合口駅へ。水上駅行きのバスがきていたので運転手に聞くとちょうど5分後に発車とのこと。これが終バスのようだ。危機一髪とばかり乗り込む。この時間ではすでにロープウェイの売店等は閉まっており、ビールは水上駅までおあずけになった。途中湯檜曽あたりのうらぶれた温泉街をいくつか通り抜け、水上駅到着。この時期は客がいないのか駅前もひっそりしていた。酒・お土産などを購入後18時過ぎの特急で上野へ。あたりはとっぷり日が暮れてすでに真っ暗になっている。K柴氏と酒を飲みながら本日の山行を語りあう。初めての人にとってはちょっと刺激的過ぎたかもしれないけれど、ほとぼりが冷めたら、今度は軽い山にチャレンジしてみてはいかがでしょう?&今後の演出にも役立ててくださいねー>K柴氏

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