2001年7月28日(土) 曇り
日帰り 単独行
●ワンポイント
表側の下界臭い雰囲気と違って、塔ノ岳から先は深く、それでいて開放的な雰囲気です。塔ノ岳日帰りの場合でも、ちょっと丹沢山のほうに進めば、一味違った丹沢を味わえると思います。この日は1日で歩きとおしてしまいましたが、一度どこかの小屋にも泊まってみたいなぁと思います。 |
●写真
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●交通
往路 | JR | 蒲田4:33 − 東神奈川4:49 |
東神奈川4:54 − 町田5:24 | ||
小田急 | 町田5:34 − 秦野6:12 | |
タクシー | 秦野6:15 − 大倉6:30 |
復路 | 車 | 登山口15:35 − やまと駅16:55 |
相模鉄道 | 大和17:01 − 横浜17:22 | |
JR | 横浜17:28 − 蒲田17:48 |
●山行:(歩行時間7:22)
大倉6:35-駒止茶屋7:50-花立山荘8:45-塔ノ岳9:12-休憩13分-山頂発9:25-丹沢山10:15-休憩15分-山頂発10:30-休憩舎10:55-休憩15分-休憩舎発11:10-棚沢の頭11:21-蛭ヶ岳11:55-休憩35分-山頂発12:30-地蔵平13:08-姫次13:30-休憩15分-姫次発13:45-八丁坂の頭14:02-登山口(林道着)15:30 |
●記録文
足慣らし第3弾というわけではないのだが、本日は多少ハードなコース、塔ノ岳〜丹沢山〜蛭ヶ岳の縦走を試みた。地図上のコースタイムでは全行程で9時間強となる。万が一途中でバテたら最終手段は山小屋泊ということで、強行してみた。 |
家を4:20ごろ出発。コンビニでおにぎりとアンパンを調達する。今日はスピードが命なので、コンロなど一切持っていかない。最近お気に入りの乗り継ぎコース、蒲田から東神奈川に出て、町田まで進む。ここで小田急線に乗り換え。JRからは2-3分はなれたところに小田急の駅がある。朝の小田急は、新宿行きよりも小田原方面への電車が混雑していた。 |
秦野でタクシーに乗り換え大倉へ向かう(2000円強也)。丹沢山塊には雲がかかっている。ここ何日かの猛暑とうって変わって、今日は多少涼しい。あとは登っている間に晴れてくれれば言う事はないのだけど...大倉につくとおばさんが一人山支度を始めている以外には誰もいない。始発のバスがつくのは30分後だ。はやる心を抑えながらトイレを済まし出発。東野のバスは17時過ぎ発に乗る予定。その次は19時過ぎなので、なんとしても17時までにはバス停にたどりつかなくてはいけない。 |
とはいえ長丁場でもあるので、大倉尾根の登りはスピードをおさえながら、体力温存を図ることにする。幸い気温もそれほど高くない。駒止茶屋くらいでの感触では、足回り的にはけっこういけそうな気がした。花立手前の階段攻撃を受ける間に、早立ちの何組かと、花立山荘へボッカの二人組みなどを抜かし、すでに山に入っている登山者が何組もいることがわかる。これらの人たちは大倉辺りに泊まったのか、車できているのか?...でも蒲田から電車だと、どう考えても大倉6:30発が限界だよなー、と思いながら歩く。 |
塔ノ岳山頂に着くと誰もいない。これで晴れていればよかったのだけど、本日は雲の中で視界ゼロ。今日は眺めの方はまったく期待できないかもなー、と思いながらおにぎりを2個食す。そういえば前回T氏とここに来た時は鹿の群れにたかられたっけ。しばらくするとぽつぽつ登山者が到着し始めた。ここでゆっくり休むわけにもいかず、これからが本番、と気合を入れなおして尊仏山荘の左側から丹沢山へと向かう。 |
塔ノ岳から丹沢山へ少し進むと、急に道が静かになった。そして辺りの雰囲気もだんだん深山の趣を濃くしていく。特に竜が馬場付近のブナ林の中に霧が立ち込める様など、幻想的な風景を作り出している。また、林床を見ると、マルバダケブキが花期を迎え始めており、いくつかの花は既に開花していた。 |
丹沢山は非常に地味な山頂。いくつか登った丹沢の山は、どこも広場のような山頂だったが、ここはある意味公園風な広がりを持つ台地だった。一角にひっそりと建っているみやま山荘に人の気配はなかった。さらに蛭ヶ岳までの道程があるので、とりあえず記念写真をとり、ここも一気に後にする。霧は晴れてきたが、相変わらず頭の上の雲は取れない。ここまでの道のりで、下草についた露が靴の中に流れ込んだのか、靴の中が多少ぐしゅぐしゅいうようになってきた。 |
丹沢山からしばらく行くと休憩舎がある。ここには休憩舎内にツェルトを張ってすでに10日粘っているという、仙人のようなおじさんがいた。通りがかりの登山者相手に、いろいろ話をしたりして過ごしているという。今年は雨が少なくて水場が枯れ気味で、10日粘るのもけっこう大変だそうだ。ここまで割り切って山にこもるのもいいけど、やっぱり容姿はちょっと無気味だったなー... |
さて、さらに進んでシモツケソウなどを楽しみながら鬼が岩にたどり着く。うす雲の向こうにぼんやり太陽が見えるけど、対面にあるはずの蛭ヶ岳はやはり見えない。急傾斜の岩場を下って、しばらく登り返すと蛭ヶ岳に到着。若干日がさして来たこともあり、ちょうどよい暖かさだ(ちなみにここまでの道程は、雲の中でけっこう寒かった...)。山頂には単独行の登山者が二人いたが、二人とも日帰りで大倉〜蛭ヶ岳間のピストンだという。途中ジョギングしている人もいたりしてびっくりしたけれども、蛭ヶ岳日帰りぐらいは、健脚の人ならけっこう普通なのかもしれない... |
さて、アンパンを食べて腹ごしらえをし、くだりにかかる。これから東野のバス停まで、4時間程度の行程だ。しばらくは丹沢名物、階段のくだり。こちらは大倉尾根とは違い木の板で作った階段になっている。歩幅も考えてあるのか、少しは歩きやすい。真新しいので最近出来たのだろう。辺りの風景は、北面にあたるということもあってか、より深く湿っぽい。蛭ヶ岳までの間、かなりのシカフンが転がっていたが、ようやくここにきて何頭かのシカを目撃した。暑いから北側に逃げてきたのカナ...? |
老木の立つ地蔵平をすっとばし、ちょっとした広場の原小屋平を抜くと、姫次に着いた。姫次には一人の中年のおじさんとシカがいた。机などもあるので、ここで本日最後の休憩。あめなどを取り出してなめる。あたり一帯はカラマツが美しい、とのことだったが、たしかに紅葉の時などはよいかもしれない。しかし今日はここまできても眺望に恵まれず、ついに下山することになった。 |
結局今回は足の訓練に終わったともいえなくもないが、いくつかの花にもめぐり会えたし、またこういったときの森や林の風景もすばらしい。逆にこれで眺望がきけば、やはり一泊してゆっくり楽しみたい山かもしれない。とにかくコースが長かっただけに、歩ききったという充実感は久々のものだった。そして下山途中、姫次で先に出発したおじさんと再び出会い、この人が車できているということで、ご親切にも小田急の大和まで送っていただけることになった。山に登っていると、たまにこういった親切にあずかることもできる。本当に幸せだ。この人とはいろんな山の話をしたけれど、2つだけ。夏の宮ヶ瀬から蛭ヶ岳への道はヒルが出るので避けた方がよいこと(だから蛭ヶ岳なんでしょうか?)。そしてそのあと八ヶ岳のよさを語られて、翌週八ヶ岳に行ってしまうのだけど...登山者が捨てていったゴミを拾いながら下山していたおじさん、またどこかでお会いできるでしょうか...? |