東京・蒲田発 山に行こう 山行記録 綱之上御前山【寺山】

綱之上御前山

綱之上御前山(標高568m・山梨県)

2008年4月27日(日) 曇り時々晴れ

日帰り 同行1名

●ワンポイント

マイナールートではありますが、道に迷うようなところはなかったです。この日はツツジやさまざまは野草の花を見ることができ、なかでも春蘭には一際目を惹かれました。大野貯水池には野鳥もいますし、池に映る景色も心和みます。ただし、展望は狭い露岩からしかえられません。広いのは送電線の鉄塔の下だけで大人数の山行には向かないかもしれません。一部結構な急坂とヤブがあるので注意。

●写真

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●交通

往路JR蒲田7:13 − 東神奈川7:27
東神奈川7:30 - 八王子8:24
八王子8:27 - 高尾8:34
高尾8:44 - 四方津9:10

復路JR梁川14:59 - 神田16:327
神田16:36 - 蒲田16:58

●歩行時間(3:04)

四方津駅9:18-大野貯水池9:45-460mコブ10:18-御春山10:28-綱之上御前山11:32-休憩88分-綱之上御前山発13:00-送電鉄塔13:35-休憩63分-送電鉄塔発14:38-梁川駅14:53

●記録文

花粉の季節も終わり、一月半ぶりに山に出かけることにした。転職の影響で、今年からGWは暦どおり。去年までの10連休など、もはや嘘のようだ。毎年この時期には大体足が出来ていて、すいてる平日に雲取あたりに1泊しに行っているところなのだけど、今年は花粉やら風邪やらで、それもならず。せめて後半の4連休にどこか泊まりで出かけることが出来るように、足慣らしもしておきたい。
去年の年末辺りから、ある本との出会いで低山のマイナーコースにはまっている。今回はそんな山の中から、中央線沿線の綱之上御前山に出かけることにした。1月に登った斧窪御前山の東に位置する山だ。うまくいけば春蘭が咲いているらしい。春蘭は私が18のときに始めてのバイト代で買った(2万円!)植物でもあり、いろいろな経緯で20年ぶりにその株が自宅に戻ってきたりもして、縁深い花なのだ。
Bと共に中央本線四方津駅で下車。GWの日曜ということもあり、相模湖、藤野、上野原ではたくさんのハイカーが降りて行ったが、ここでは我々の他に2名だけだった。その二人は線路反対に向かう。倉岳山に行くのだろうか? われわれは車道を歩き大野貯水池へ。この方面へのバスは朝8時台の次は12時になってしまう。とはいっても30分ほどの歩きなので、特に苦になることはない。辺りの民家の庭が花爛漫で目を楽しませてくれた。
大野貯水池はちょうど不忍池くらいの大きさ。今日は曇天で、山頂に雲のかかった扇山が湖面に影を落としていた。池を泳ぐ愛らしい水鳥を見ながら堰提を渡った。その先で急な舗装路を登る。社があるのでお参りしておいた。休憩舎から池を見下ろした後、奥の踏み跡へと入っていった。
いや、踏み跡と言うには申し訳ないほど、道ははっきりしている。この前の斧窪御前山も同じだったが、笹が多い。その中につけられた道を、朝方に降った雨露を払いながら進んでいく。結構体がぬれる。ところどころくもの巣もあって、だんだん夏が近づいてきているのがわかる。特に迷うこともなく、小一時間で御春山に到着。手作りの小さな標識がある。山頂の展望は(もちろん)ないが、あたりにはヤマツツジが咲いていて華やかだった。
山頂を去り、綱之上御前山を目指す。道は相変わらず迷う箇所はなく、ところどころテープも張られている。このあたりで中央道からはGWの暴走だろうか、かなりやかましく騒音が聞こえてきて、いまどきまだこういうことをする人がいるんだなぁ、と思う。
しばらく進むと祠と小さな仏があり、か細い道が横切って十字路になっていた。ここは方位的に直進。さらにいくと赤い社のある箇所で、夫婦連れの年配ハイカーとであった。今日は誰も会わないだろうと思っていたので意外だったが、綱之上御前山で春蘭が見れた、という情報をゲットすることが出来た。「お互い半々ずつ露払いですね」と言葉を交わしすれ違った。ここにも道が横切っていたが、正面の笹の中に続く道が正しかろうと見定めて進んだ。
登っていき道がゆるく左に折れると、徐々に急登となってきた。交錯する踏み後を辿りつつ、高度を上げていった。傾斜がきつくなり、木の根や地面に手を添えながらの登りとなった。やがてやせ尾根となり、岩のある箇所から展望が開けた。山麓の新緑がすばらしい。尾根から道をはずさないように登っていくと「寺山」と手書きの標識のある頂に出た。ここが綱之上御前山、別名寺山というらしい。狭く展望もないので、少し戻って露岩のところで大休止した。この山は大人数には向かないだろう。風があり若干冷えつつも、1時間半のさわやかな休息だった。
山頂に戻り下山を開始する。ここからも道は明瞭で、飲んだ勢いでどんどん下った。途中何度か方向確認しつつ、目標となる鉄塔を目指して進んだ。鉄塔手前の笹薮がかなり強引に横切るように道がつけられており、半分ヤブ漕ぎとなって少し難渋した。
鉄塔付近に春蘭が多いという情報だったので少し下のほうまで降って花がないか探してみるが、ここでは結局見つからなかった。あきらめもつかないがないものは仕方ない。なんだか疲れも出たので、ごろっと横になり、しばらく昼寝を決め込んだ。電車は15時台の中央特快に乗れば都合がいいのでまだ時間もあるし、日も差してきて、しばらくぐっすり眠ってしまった。
起きて下山。あきらめ切れない私は、下山中も足元に目を凝らして歩いた。するとあったあった、ありました。道端に一株だけ。春蘭特有の三ツ矢の緑の花が。園芸の品種よりも若干小ぶりのようにも見えたが、野生の花は力強くみずみずしく咲いていた。家で育てるとすぐに葉焼けしたりするのだけど、葉にも勢いがあってきれいだった。
このような裏山に春蘭が咲いていようとは! 大興奮、大満足で下山。そこから駅まではほんの10数分。民家の裏に出て、目の前が梁川の駅だった。
駅に着くと、中央特快は5分後にやってきた。電車に揺られながら、ますますマイナーな山にはまっていく自分を感じていた。

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